「あなたは詐欺事件の加害者です」…いきなり”警視庁”から64歳男性にかかってきた「驚きの電話」と、”鹿児島県警”から送られてきた逮捕状の「ヤバすぎる中身」
“逮捕状”が送られてくる
そこで駅の近くにあるカラオケボックスを選んだ。移動中も通話はつなげたまま。田中は「絶対に電話を切ってはいけません」「もし協力者と会うそぶりをしていたり、何かを書いて誰かに見せたり、相談してはいけません。あなたは疑われているのですから」と何度も念を押してきた。 そのうちに「鹿児島県警」とやり取りをするLINEのアカウントには、逮捕状とされる文章の画像が送られてきて、小林さんを追い込んでいく。 通話時間は1時間を超えており、田中は小林さんの容疑を疑ったままだった。出頭は免れない。 「被害者1人につき、20日の拘留で取り調べられます」(吉田) それが20人となれば単純計算で400日と、1年以上かかる。おまけに家族にも自分が事件に関わっていることを話せない。いくら無実の罪だとはいえ、仕事も家族も捨てて鹿児島県警の取り調べを受けることは何としても避けなければならなかった。 だが、そのうちに転機が訪れる。 いくつかの質問や話し合いを重ねていると、田中から「…もしかすると、あなたは詐欺事件の加害者ではなく、被害者である可能性も出てきました」と告げられたのだ。 驚く小林さんに、「鹿児島県警の田中」はある提案をしてきた。はたしてその内容とは――。 つづく後編記事『「100万円振り込めば身の潔白を証明できます」64歳男性が騙されかけた「警察官なりすまし」その巧妙すぎる手口』で、さらに詳報します。
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