「あなたは詐欺事件の加害者です」…いきなり”警視庁”から64歳男性にかかってきた「驚きの電話」と、”鹿児島県警”から送られてきた逮捕状の「ヤバすぎる中身」
詐欺グループの仲間だ!
警察から電話がかかってくることについて身に覚えがなかった小林さん。「はて」と思っていると、吉田と名乗る男は高圧的な態度で言った。 「あなたはある詐欺事件の加害者です。ある詐欺事件の被疑者の一人が鹿児島県で逮捕されました。取り調べをしていると、詐欺に使われたキャッシュカードの中に、あなた名義の銀行口座があり、それが振込先に使われていました」(吉田) まったくの寝耳に水だった小林さんは「何かの間違いだ」と弁解したが、吉田は聞く耳を持たなかった。 「この事件では3000万円相当の被害が出ている、大規模な詐欺事件です。押収されたあなたの口座を使って計300万円、20人近くの被害が出ている。あなたも詐欺グループの仲間で、被疑者の一人として捜査対象になっています」(吉田) 当然、そんな事実は身に覚えがない。おまけに、なぜ鹿児島県で逮捕された男の事件なのに警視庁から電話が来たのか、小林さんが疑問に思っていると、吉田は「全国的な詐欺事件であり、警視庁も捜査協力をしています」と答えた。 「調べてもらえばわかる」と小林さんが言うと、吉田は「そのために鹿児島県警に出頭してください」と伝えてきた。 だが、そんな急に鹿児島県まで行くことなんて、できるわけがない。 戸惑うばかりの小林さんに対し、吉田は「捜査協力のため、鹿児島県警に電話を転送したい」と指示してきたのだ。 無実の罪を晴らすため、藁にもすがる思いでLINEのIDを小林さんは吉田に伝えた。 その直後、「鹿児島県警」と表示されたアカウントから、ビデオ通話機能を使って連絡が入ったのだ。画面には、セミロングの黒髪でメガネをかけていた30代中盤くらいの女性が映っていた。 女性は「鹿児島県警の警部で田中(仮名)です」と名乗り、画面越しに警察手帳と思われるもの見せてきた。
出頭を断ることはできません
身なりもきちんとしており、なおかつ警察手帳まで掲示された。これは本物の警察官に違いないと小林さんは信じ込んでしまった。 だが、その対応は警視庁と同様だった。いくら潔白を訴えても女性は「証拠がある」の一点張り。 「出頭を断ることはできない」(田中) そして次にこのように伝えてきた。 「ご家族やどなたかいらっしゃいますか?または誰か訪ねてきますか?」(田中) 小林さんが「宅配業者が来る予定です」と伝えると、田中は「屋根のある一人きりになれる場所に行ってください」と指示を出してきたのだ。 「実はこの事件は一部の警察官しか知らない極秘捜査なのです。そのため、ご家族であっても捜査対象であることは絶対に伝えてはいけません。また、警察の中にも詐欺グループの協力者がいることがわかっています。どこかから情報が洩れたら取り返しのつかないことになりますので、決して人には話してはいけませんよ」(田中) 自分はそれほどまでに大きな組織の犯罪に巻き込まれているのかーー。怖くなった小林さんは言われた通り、「屋根のある一人きりになれる場所」に向かうことにした。