【博多祇園山笠】飾り山笠が公開 中洲流の「見送り」は能登出身の絵師の人形 地震被害からの復興願い 福岡名物との意外なつながりも
FBS福岡放送
7月1日、博多の夏の風物詩、博多祇園山笠が開幕し、飾り山笠の公開が始まりました。そして元日に起きた能登半島地震から半年です。中洲流の飾り山笠に込められた被災地への思いを取材しました。 【画像】博多祇園山笠 飾り山笠が公開 中洲流の「見送り」は能登出身の絵師の人形 地震被害からの復興願い 福岡名物との意外なつながりも
大正6年(1917年)創業、福岡市に工房を構える博多人形の老舗「中村人形」。その4代目の看板を背負い、100年を超える伝統を受け継ぐ中村弘峰(ひろみね)さん(38)です。 博多人形師として一人前と認められて10年目となることし、三番山笠・中洲流の飾り山笠を手がけます。 ■博多人形師・中村弘峰さん(38) 「みんなに喜んでもらいたいので。元気になるというか、パワーをもらえるものを期待しているので。元気な感じがいいんじゃないんですか。」
中村さんが題材として選んだのは、安土桃山時代、幾多の困難に見舞われながらも天下一の絵師へと登りつめた長谷川等伯(とうはく)です。能登出身の天才絵師をテーマに選んだ理由は。 ■中村さん 「1月1日に地震が起きて大変な状況になっていることをテレビやSNSで知って。能登については自分も何かしたい思いがあった。」 ことし1月に発生した能登半島地震では、中村さんのものづくりの仲間も被災しました。 ■中村さん 「いろんな友達がいて、工房で皿が何百枚も割れている写真とか、輪島の街が火事でなくなったのを見て、すごくショックだった。それで山笠の題材を考える時に、能登半島とつながるような題材ができたらいいかもなと。」 中村さんは2017年、石川県で開かれた公募展で、80か国およそ600点の作品の中から2番目にあたる優秀賞を受賞しました。中村さんにとって石川県は特別な場所だといいます。 ■中村さん 「作風というか、この道に行けばいいんだという道を示してくれたのは金沢での展覧会。ある意味、作家としての大きなターニングポイントだったので、ずっとあの街に対しては感謝がある。遠い場所だけど思いを寄せている人間の思いを神様に奉納する、それが遠く飛んで石川とか能登半島とかに届くかもしれない。祭りってそういうものかなと。」
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