【博多祇園山笠】飾り山笠が公開 中洲流の「見送り」は能登出身の絵師の人形 地震被害からの復興願い 福岡名物との意外なつながりも
6月28日、中村さんが作り上げた人形が飾りつけられました。 ■中村さん 「ちょっと前に出してください。もうちょい。右を回転。筆を引っ張り込む感じ。」
■中村さんの兄弟子・溝口堂央(とうよう)さん 「はや!」 中村さんの隣で飾りつけを見守るのは中村さんの兄弟子、溝口堂央さんです。溝口さんが手がけた表は、戦国時代、桶狭間の戦いでその名をとどろかせた織田信長が題材です。 ■溝口さん「(中村さんに)負けられないなと。良い意味で切磋琢磨して、喜んでいただける飾り山笠を作っていければ。」
こちらは、ことしの中洲流の総務を務める西村守也さん(61)です。福岡の郷土料理「おきゅうと」の製造販売を営んでいます。 実は「おきゅうと」と能登半島には深い関係があります。
■中洲流 総務・西村守也さん(61) 「おきゅうとの原料を能登から取っている。17年前にも能登で震災があって、入札ができなかったことがあった。ことしの正月の震災の際、またその心配があって、たまたま存じ上げている輪島の漁協の方に連絡を取ったところ、輪島から船が全然出られないと。尼さんが全然操業できないという状況を聞いて、能登に目を向けるきっかけになった。」
7月1日朝、三番山笠・中洲流では櫛田神社の神職たちが訪れ、山笠に神を招き入れる神事「御神(ごしん)入れ」が行われ、中村さんたちが作り上げた高さ11メートルの飾り山笠が奉納されました。 ■大阪から訪れた人 「いろんなニュースがあるからあっという間に忘れられたりするんですけど、大きな災難は(心に)ずっと刻まれて。能登が今どうなっているんだろうと感じられればいい。」 ■博多人形師・中村弘峰さん 「無事に制作して飾りつけることができて、メッセージを博多から能登の地に送り届けることができるんじゃないかなと。」 能登半島の被災地復興への願いが込められた中洲流の飾り山笠。祭りが閉幕する7月15日まで、博多の街からエールを送り続けます。
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