自民党・石破茂氏が会見(全文1)独立を守るための組織の否定は極めて異常
集団的自衛権を、専守防衛をどのように考えるのかを国民に訴えるのが使命
専守防衛というのは要は相手の国へ攻めていくということはしませんよと、ひたすら国の中で相手の攻撃を耐え忍び、味方が来るのを待ちますよという戦略であります。それは守る態勢が、非常に強い態勢がつくられていること、そして食料、弾薬、燃料が十分に備蓄をされていること、味方が必ず助けに来てくれること、そして国民が強い意志を持っていること、これが必要であります。それは極めて難しいことであるが、専守防衛を貫くためにはこの4つの条件が必要ですよということを国民にもっと訴えていかなければならなかったと思っています。つまり9条を論じるに当たっては軍隊なのか、そうでないのか。あるいは集団的自衛権をどのように考えるのか。専守防衛をどのように考えるのか。そういうことを国民に向かって訴えなければならないのであって、自衛隊の存在を憲法に書けばそれでいいというものだと私は思っておりません。 そういう議論をするのが今回、私どもに与えられた使命だと思います。総裁があのように発言をされたのですから、それを受けて自民党の中でいろいろな議論がなされなければいけないのであって、国民に対して説得をするというそういう勇気と士気を持たねばならない。自民党というのはそうあるべきだと私は思っています。中国の国防費はあと10年以内にアメリカの半分になるだろうと思っています。1989年、天安門事件のあったころ、中国の国防費はアメリカの3%しかありませんでした。ロシアの軍事費も一番少ないときはアメリカの6%まで落ちました。今や16%に達しております。この地域の軍事バランスが大きく崩れつつあります。 私は中国が安定的に発展していくことは、この地域、ならびに国際平和のために必要なことだと思っています。この地域において軍事バランスをきちんと保つことも同時に重要なことであります。なお、北朝鮮に対してわが国はミサイル防衛の能力をさらに上げること、そのためにはTHAADミサイルよりも、イージス・アショアのほうが有効であると考えております。この地域における平和と安全、そして日本国の独立、これを守っていくために今回徹底的な議論をする、それがわれわれに与えられた使命だと信じております。ご質問があればお答えいたします。ありがとうございました。 【連載】自民党・石破茂氏が会見2017年6月14日 全文2へ続く