これから10年で必ず起こる…ますますヤバくなる、50代「ホワイトカラー」定年後に待ち受ける過酷な現実
解雇規制緩和法案の浮上、定年延長、役職定年の廃止など今年も労働環境を取り巻く様々なニュースがありました。 【マンガ】5200万円を相続した家族が青ざめた…税務署からの突然の“お知らせ” AI技術の進化でこれまであった仕事がなくなる、いわゆる「技術的失業」のリスクが取り上げられる一方で、平均寿命が延びるに伴い、労働寿命も延ばさないといけない現代社会。長く働いて老後費用を得るためには、新たなスキルを身につけ新しい仕事に就く-「リスキリング」が必要になります。 後藤宗明『中高年リスキリング』(朝日新聞出版)より一部抜粋・編集してお伝えします。
定年後にホワイトカラーの仕事に就くためには
2022年11月にChatGPTが公開されて以来、米国ではそれに対応するための雇用削減が急速に始まりました。大きく分けて2つの流れがあります。 ひとつは、大規模なビジネスモデルの変化やAI事業の変化に前もって対応するために行われる、方針変更に伴う既存プロジェクトの中止や部門廃止などによる雇用削減です。もうひとつは、実際に生成AIを業務で活用し、人間が担ってきた職務を代替するために雇用削減に踏み切るパターンです。 このように、生成AI含むテクノロジーの進化により、ホワイトカラー人材の余剰が本格化し、自動化による効率化が進むことで、技術的失業が現実となってきています。 一方で、少子高齢化が進んだ中で想定される労働供給制約社会においては、エッセンシャルワーカーの人材が圧倒的に足りない状況が続きます。 こうした状況下で、定年後もホワイトカラーの仕事で働き続けたい方にとって必要なことをここで整理しておきたいと思います。
自分自身をリスキリングし続けるスキルが必須
まず、現在ホワイトカラー人材の方がホワイトカラー分野の仕事に就き続けるためには、何といっても、「自分自身をリスキリングしていく」スキルを持っていることが重要です。 例えば、大企業で役員まで上り詰めた経験がある有名経営者の方であれば、顧問やアドバイザー、社外取締役といった毎月定期収入のあるポジションに就くことができるかもしれません。 しかし、定年や引退した時点での実績や、その当時のままの知識やスキルのお釣りで食べていけるような方はごく稀な存在になっていくと思われます。 多くの方々は、次々に新しく生まれてくるテクノロジーなどによる外部環境の変化、海外から輸入されるビジネス上の新しい習慣に合わせて自分の価値観や働き方を時代に適応させ、学び続ける必要があります。まさにそれが「自分自身をリスキリングし続ける」スキルです。 デジタル分野などの成長分野においては、これからも新たな仕事が生まれ続ける可能性があり、リスキリングを行うことで変化に上手に対応していくことができます。