本木雅弘主演、倉本聰構想60年の渾身作『海の沈黙』が11月公開!小泉今日子ら豪華キャスト集結
若松節朗(監督)
老いてなお創作に情熱を燃やす脚本家、倉本聰さんの今回のテーマは「美とは何か?」 この映画化にあたり僕にとって、いつにも増して大きなチャーンジとなりました。 幸い本木雅弘、小泉今日子、中井貴一始め多くの芸達者な俳優陣が結集し見応えのある映画になったと自負しています。この作品は制作側から観客の皆さんへの問いでもあります。 「美とは何か?」皆さん其々の美を見つけて頂きたいと思います。
本木雅弘(津山竜次 役)
初の倉本作品にして、黙する孤高の画家という難役にもがき苦しみましたが、40 年来の同志である小泉さんとの共演にはリアルな感慨もあり、熟練の若松監督と中井さんの支えによって、不思議なアンサンブルが生まれました。観る者を突いてくる美への教訓、追憶という哀しいぬくもり、倉本先生が語る世界の奥深さを皆さまと共有できれば嬉しく思います。
小泉今日子(田村安奈 役)
美とはなにか。本物とはなにか。 倉本聰さんが今、私たちに投げかけたテーマに姿勢を正されるような思いだった。 その矜持を私はきちんと受け取り、そして演じることができたのか今は自信がない。 けれど、成熟した大人の映画が、この日本に誕生したことを心から祝福したい気持ちです。
中井貴一(スイケン役)
倉本作品に呼んでいただく時、いつも思うのです。私の本質を全て知られ、見透かされ、キャスティングされていると。というわけで、今回は謎多きフィクサーと相成りました。作品のテーマは、美。美ほど、観念的なものは無い。でも、人はそれにランクをつけ、金銭という数字をつける。資本主義経済の観点からすれば、至極当たり前のことなのかもしれないが・・美とは、美の価値とは、何なのか・・今回の映画は、それをじっくり考えさせられる。
石坂浩二(田村修三 役)
今”は無意味なものが情報として拡散し、メディアも又、右往左往、なにより金が総てと思い込まされ、否応なく人々は区 されていく、それが“今”です。 本当に美しい、本物の自分らしさを求めていた人間も、やがて生きている、生きていかなければならない“今”に呑みこまれ、その“今”は昔からの自然の流れを思えて安心してしまう。私が演じるのは“今”だと思うのです。“今”は未来を思い遣ることは出来るのか? “今”が未来に重なる時はないのでしょうか。