山間部の運搬時間70%短縮、工事現場に「電動一輪車」の効果
CuboRex(キューボレックス、東京都葛飾区、嘉数正人社長)と東京電力パワーグリッド(PG)は共同で、キューボレックスの一輪車電動化キットを使った運搬の省力化・省人化の実証実験を行った。東電PGが手がける山間部と都市部の工事現場で同製品を利用。山間部の運搬時間は約70%、都市部は40%近く短縮した。キューボレックスは実験で得た評価を活かし製品を改善し、さらに他の建設系企業との実証実験を進める予定。 使用したのは、取付式の電動アシストタイヤキット「E―cat kit2」。既存の1輪車などのタイヤを交換し、アクセルレバーを取り付けて電動化が可能。ハンドルのレバーを握ると前進する。悪路でも推進力があり、労力や時間短縮など省力化が図れる。 山間部での実証は梅雨や台風後などの断線事故の現場を想定。従来は作業員が1人約28キログラムの荷物を背負って登山するため疲労度が高く、作業前に休憩が必要だった。実証では往復1660メートル、傾斜が15―20度の悪路を、電動一輪車に56キログラムの工具などを積み作業員2人が運搬。人力に比べ往路復路ともに77分短縮し、作業員の人数も加味すると約4・2倍効率化した。 都市部での実証は地中ケーブルの敷設に伴う開削・埋め戻し工事の現場で実施。電動一輪車に一度に約70キログラムの土砂を乗せ、2―3メートルの細い道を多数運搬した。通常時、平均30秒の運搬時間が平均18秒に短縮。埋め戻し工程全体の作業でも時間短縮し、作業効率が1・65倍向上した。 東電PGは「運搬や作業全体の効率化だけでなく、取り扱いしやすく現場の反響も良い」としている。