irienchyが東名阪福ツアー完遂、ファイナル東京公演で切り開いた新たな一面
強さと優しさが炸裂しまくりな鉄板曲を畳みかけたクライマックスへ
名古屋公演が終わったあとの宿泊先で、しこたま酔っぱらった諒孟に、本多が自分の確保していたベッドスペースを奪われた件など、ツアーを振り返る仲睦まじいトークも繰り広げられ、ライブはいよいよ後半に突入。 ラブソングが軸だった前半とは一転、ラップパートを孕んだアッパーかつファンキーな「藁人形の館」「最強の矛」で感情をブーストさせるirienchy。緩急のある展開が輝き、別れの季節を歌った「春は嫌いだ」は、メンバー全員の衣装に暖色が入っていることで、なんだか視覚的にも美しい。 あなたらしく生きてほしいという願いが詰まった「最強のぼっち」、宮原の「全員をハッピーにします!」宣言と諒孟の腰面弾きギターソロが飛び出した「スーパーヒーロー」、TikTokでバズった締めに欠かせない「バイバイ」と、弱さを知るirienchyゆえの強さと優しさが炸裂しまくりな鉄板曲を畳みかけたクライマックス。自分たちが持っている愛を実感するように、とてもいい表情で音楽を鳴らすメンバーが眩しく、その高揚はオーディエンスにしっかりと響いていた。 アンコールでは、来年1月18日(土)に東京・下北沢近松で結成5周年を記念した『こたつとみかんとイリエンチー ONE MAN LIVE -築5年-』を開催すると発表。直後に会場全体のシンガロングで始まった「メイビー」から、この4人で奏でる音楽を信じ、笑われることを恐れず突き進んできたバンドの生きざまが垣間見え、思わずグッときてしまったりも。 宮原が「バンドをやりたいからやってる!」と言い放って、「ドリームキラー」に繋げる流れもドラマティック。エモーショナルに駆け抜けて完全燃焼すると、諒孟と本多は喜びのあまり絶叫しながら抱き合う。 予定外のWアンコールにも応え、ラストは4人を衝き動かしている闘志を示す「ソルジャー」で力強くフィニッシュ。新たな一面を切り開いたirienchy、今後の活動も期待したい。 取材・文:田山雄士 セットリスト 00.Inst~シェリーに口づけ 01.ダメラブストーリー 02.ライライライ 03.コイ夏 04.キャンパスノート 05.ヒトミシリ流星群 06.曖昧 me mine 07.ANSWER 08.風 09.藁人形の館 10.最強の矛 11.春は嫌いだ 12.最強のぼっち 13.スーパーヒーロー 14.バイバイ <ENCORE> 01.メイビー 02.ドリームキラー <ENCORE 2> 01.ソルジャー
Rolling Stone Japan 編集部