グルメな友人と行きたい!5000円台で楽しめるおいしい店 4選
プロの琴線に触れる店は、味はもちろん、お酒のセレクトや雰囲気も最高! 仕事やプライベートでおいしいものを追いかけている食のプロに、5000円台で楽しめるおすすめ店を教えてもらった。 『エル・グルメ No.42』掲載 Photos : SHINTARO OKI, TERUAKI KAWAKAMI , SATOSHI FUKUDA Text : TOMOKO KAWAI, YUMIKO ONO
「徳岡勘兵衛茶舗」@根岸
「江戸下町の粋と寛ぎを独自のセンスで表現する心地良さ」 推薦・文/江澤 香織さん 夕暮れ時にぽっと灯る魅惑の小さな明かり。根岸という土地で、威厳のありそうな店名と、和の骨董が静かに並ぶ趣ある店内の様子に、どんな気難しい趣味人がやっている店なのかと身構えていたら、出てきたのは今どきの空気と落ち着いた風情を併せ持つ20代の店主、徳岡代介さんだった。東京の下町文化を肌で感じて育ったという徳岡さん。「食事をして、お酒を飲んだ帰りに、ほっと一息つきながら夜にお茶でも嗜めるような店が欲しかった」とこの店をオープン。 喫茶とも居酒屋とも言い難い希有な存在で、不思議な居心地よさがある。ご近所さんが銭湯帰りにふらりと立ち寄ることもあるそう。徳岡さんは親戚が浅草の茶問屋だったこともあって子どもの頃からお茶に親しみ、数年前には自身で静岡に畑を借り、月の大半は現地でお茶の栽培や製造に携わっている。 右が店主の徳岡代介さん、左は雨田穣さん。内装は骨董好きな建築家が集めた建具を使い、まるで昔からあったような佇まいに。
「お茶は芽吹くところから収穫、加工をして入れるまで、すべての工程を自分で見届けられるところが魅力。本物の手仕事への憧れがあります」と語る。飄々としているようで独自の審美眼をもち、自分たちのやりたいことに対して敬意を持って自然体でやっている様子に心惹かれる。ときどきややマニアックな徳岡さんの話は興味深く、この独特の雰囲気を分かち合える友人と訪ねたい。 だしのよく染み込んだおでん(¥300~)。がんもどきや餅巾着も手作り。箸置きはかつて作られていたという陶器製手榴弾の陶片。