男性がチュチュで踊る、アバンギャルドなバレエ公演 衣装デザインは幾左田千佳
クラシックバレエの新たなステージ「BALLET TheNewClassic(バレエザニュークラシック、以下BTNC)」の第2回公演が、8月2日から3日まで新国立劇場 中劇場で開催された。チケットは全てソールドアウト。先行したクラウドファンディングでは目標達成率が800%に迫るなど、強い関心と支持が伺えた。 【画像】チュチュを着て踊る男性ダンサー BALLET TheNewClassicとは? 写真家の井上ユミコと、バレエダンサーの堀内將平(K-BALLET TOKYO プリンシパル)が2020年に立ち上げたBTNCは、伝統と革新によって築かれてきたバレエを、現代ならではの解釈で表現。「ニュークラシック=新しい定番」を提案する野心的なプロジェクトとなっている。
古典の新解釈とジェンダーを超えた美
今回の公演では12名のバレエダンサーによる、全8プログラムを披露。不朽の名作である「ロミオとジュリエット」の“許されない恋”を再解釈し、男性ふたりが演じる「ロミオとロミオ」や、男性が踊る「白鳥の湖」のオデットなど、斬新なパフォーマンスが観客を驚かせた。キャストには、舞踊監修を務める堀内將平をはじめ、世界的キャリアを誇るダンサーから注目の若手ダンサーまでが参加。前回に引き続き、日本を代表するバレエダンサー 中村祥子と二山治雄も出演した。通常のバレエ公演では女性が多く活躍するが、BTNCでは男性ダンサー7名、女性ダンサー5名が起用されているのは珍しいポイントだ。
ファッション界のクリエイターたちが参加
また、ファッション界のトップクリエイターたちが参加しているのもBTNCならでは。衣装は前回に引き続き、「チカ キサダ(Chika Kisada)」を手掛けるデザイナーの幾左田千佳が担当した。公演に先駆け、古いバレエ衣装やティアラ、飾りなどを募集し、第1回目の公演で使用した衣装、チカ キサダのアーカイブなども含めてアップサイクル。バレリーナの経歴を生かし、“パンクバレエ”をコンセプトにしたデザインで知られる幾左田らしい作品に仕上がった。メイクアップはUDA(mekashi project)、ヘアは西村浩一(VOW-VOW)、スタイリングは小嶋智子を起用し、演出はファッションショーを長年手掛ける若槻善雄(DRUMCAN)が務めた。