K-1二階級制覇・卜部功也が引退「最後はファイターとして終われた」今後についても語る
6月8日、元K-1二階級制覇・卜部功也(34=ALONZA ABLAZE)がSNSで「格闘家として現役を引退することを決意しました」と引退を発表。 イーファイトの取材に卜部は、引退の理由について「ジムの選手たちに、一流の選手でいてほしい」と育成に専念したいと語った。 【フォト・動画】卜部功也、大雅を一撃KO!ウェイ・ルイも壮絶KOし2階級制覇の瞬間 卜部は、第二代K-1 WORLD GPスーパーフェザー級王者の兄・弘嵩と共に”卜部兄弟”として、Krushや新生K-1初期を大いに盛り上げた立役者。卓越したテクニックで”アンタッチャブル(触ることが出来ない)”の異名を持つ。 21年7月まで3連勝するも、自身のジム「ALONZA ABLAZE」の経営・育成にも専念し、2年半試合から遠のいていた。 そして直近の試合は今年3月、元Krush王者の鈴木勇人に初回ダウンを奪うも、2ダウンを奪い返される激闘。最後は足を止めて打ち合う名勝負となるも、判定負けした。 卜部はSNSで8日「今日で34歳になりました」と誕生日を報告しつつ「そしてこの度、格闘家として現役を引退することを決意しました。長い間たくさんの応援誠にありがとうございました」と引退を発表した。 続けて「最近の数年間はジムの会長をメインにしていましたが最後はファイターとして終えれて良かったと思います」と記していた。 イーファイトの取材で、卜部は引退の理由について「選手育成に本腰入れていかないと、自分が理想とするファイターは育たない。ジムの選手たちは、素質が皆自分よりも優秀。しっかり磨いて、一流の選手でいてほしい」と育成に力を入れたいとする。 また「3階級制覇も目標に上げていたが、3月の試合が終わって『無理だな』と。選手育成して、ジム経営して、自分の練習がすきま時間になってる」と選手としてベストな練習が出来なくなったとし、引退を決めた。 今後の目標について「自分はKrushやK-1で育って、K-1が好き。K-1に強い選手を送り出したい。22年の『The MATCH』では、K-1の戦績が良くなかった。強いベテランに頼り、若手の入れ替わりのタイミングも難しかったと思う。そんな中でもう一回K-1を盛り返したい」と強いK-1王者を育てたいと語る。 続けて「目指すのは、(以前自身が所属していた)『チームドラゴン』みたいなチャンピオンクラスが一杯いたジム。MMAだと『THE BLACKBELT JAPAN』のような世界にも通用するような」と世界チャンピオンを輩出していきたいとする。 ジムのプロ選手たちには「自分が思うカッコいいスタイルを見つけ、生かしてほしい。自分の”アンタッチャブル”スタイルも、ギリギリ当たるか当たらないかの所で、かわして当てることにこだわっていた」と、それぞれの個性を生かしたスタイルを伸ばしたいと語った。 最後の鈴木勇人戦は「対戦相手にも恵まれ、楽しめた。勝ちたかったけど、納得した。ここで勝てないならやめとこうと、スッキリした」ときっかけの一つにもなったと言う。 今後の卜部功也、そして『ALONZA ABLAZE』選手たちの活躍に期待したい。 ◆卜部功也:幼少時に弘嵩と共に芦原会館を始め、フルコンタクト空手のジュニア大会で数々の成績を納める。08年のK-1甲子園では、決勝でHIROYAと延長戦も準優勝に。09年にKrushの前身である全日本キックでプロデビューすると、12連勝している。 15年の[K-1 WORLD GP 2015 -60kg級(現スーパーフェザー級)初代王座決定トーナメント]では、決勝で兄・弘嵩に判定勝利し戴冠。しかし同年11月、初防衛で弘嵩とリマッチし、KO負けで陥落した。 その後も皇治や大雅に勝利、18年にはK-1 WORLD GPライト級王者ウェイ・ルイにKO勝利すると、二階級制覇を達成する。戦績は63戦 52勝(13KO) 11敗。 (取材/文=遠藤紘史、編集=イーファイト編集部)