和田雅成×和田琢磨 道なき道をつくるふたり「作品への愛があれば切り開いていける」
撮影中、フォトグラファーから「じゃあ、ちょっとカーテンにくるまってください」とオーダーが。すると、和田雅成が「これだけカーテンにくるまっているのは、俺らかFRUITS ZIPPERくらいや」とひとボケ。しかし、FRUITS ZIPPERを知らない和田琢磨は思わずハテナ顔。そんな和田琢磨を和田雅成が「FRUITS ZIPPER知らないのはやばいですよ!」とイジリ倒すことで、現場は一気になごやかな空気に包まれていく。 【全ての写真】和田雅成、和田琢磨の撮り下ろしカット 長年、同じ戦場を駆け抜けてきた二人だから生まれる信頼と、親愛と、笑顔。彼ら俳優を愛する多くのファンは、そんな青春感にいとしさと安らぎを覚え、その道のりを追いかけたくなるのだろう。 2025年1月8日開幕の舞台「花郎~ファラン~」もまた青春を感じさせる作品だ。原作は、韓国の大ヒットドラマ。王を守るための精鋭集団・花郎に選ばれた麗しき男たちの友情と対立が舞台上で華やかに描かれていく。 賤民の村で育ち、親友の命を奪った者への復讐心から花郎となる“名もなき男”・ソヌ / ムミョン役に和田雅成。その正体を誰にも知られず、王の身分を隠して花郎となる“顔なき王”・ジディ / チヌン王 / サムメクチョン役に和田琢磨。これまでいくつも作品で共演を重ねてきた“W和田”が愛憎渦巻く人間模様の中心に立つ。 時代も、国も、異なる物語。だがそこにあるのは、まぎれもない青春の日々だ。
たっくんが相手だからこそ、好きも憎いも100:100でやれる
――多彩な登場人物と、キャラクター同士が紡ぐ関係性が本作の魅力です。お二人の好きな登場人物や関係性を聞かせていただけますか。 雅成 今回の舞台には登場しないですけど、スホの妹のスヨンとパンリュの関係性が好きでしたね。スヨンが可愛いんですよ! 他人と馴れ合わない孤高のパンリュがスヨンと関わることで、どんどん変わっていくところがいいなと思いました。 琢磨 僕はソヌとジディの関係性が好きですね。最初は犬猿の仲だけど、最後は共闘する、みたいな。王道の設定ですけど、ちゃんとお互いの葛藤やドラマが描かれているので観ている方もグッとくる。舞台でもそこを表現できれば、お客さんにもこの関係性を納得して楽しんでいただけるんじゃないかと思っています。 ――育った環境の異なるソヌとジディが反発から共闘へ関係性が変わったのは、二人の間に何があったからだと思いますか。 琢磨 確かに育った環境は違うんですけど、生まれ持った資質は似ているところがあって。血は争えないというか、そこはやっぱり共鳴する部分があったんじゃないでしょうか。 雅成 そこで言うと、ソヌは家族同然の存在だったマンムンが、ジディのせいで命を落としているんですよね。その憎しみがあったからソヌはずっとジディに敵対心を持っていた。それがどのタイミングでジディを許し認めていったのか。もっとちゃんと詰めていって、自分の中で咀嚼しないといけないなというのは、今言われて改めて気づきました。 ――そんな因縁の間柄を、この二人で演じられるというのは大きいですよね。 雅成 そうですね。たっくん(琢磨)と初めて共演したのは、「ダイヤのA The LIVE Ⅱ」という作品で。それから何度もご一緒している分、安心感があるというか。遠慮をしないでいいところは大きいですね。たっくんが相手だからこそ、好きも憎いも100:100でやっていこうと思います! 琢磨 「ダイヤのA」のときに、僕の演じる御幸一也と、雅成くん演じる楊舜臣が対峙する場面があって。そのときの雅成くんの内側から出るキラキラ感がすごくいいなと思ったんですね。そしたらあれよあれよという間にヒット作品にいっぱい出ている存在になって。年齢は少し離れているんですけど、長年一緒にやっている同士みたいな感覚がある。だから頼もしいです、雅成くんがいてくれることが。 雅成 たっくんは品があるんですよね。何も喋らずとも、そこにいるだけで存在感を放ってしまう。そこがジディに通じるというか。 琢磨 ありがとう。品があるかは自分ではわからないですけど、そこはもう両親に感謝ですね。と言ってもうちは別に皇族でもなんでもない、山形の庶民ですけど(笑)。雅成くんは一度決めたらやり抜く執念みたいなものがすごくあって。その辛抱強さというか我慢強さはソヌっぽいですよね。 雅成 何でも突きつめたくなるタイプではあります。だから、僕は復讐すると決めたらマジでやり遂げますよ(笑)。自分がそういう人間だからこそソヌがどうジディを受け入れていったのか、その落としどころはちゃんと探りたいなと。