雪崩に限らない「安全だろう登山」遭難の危険性
美しい冬山の自然を親しんで
「家を出る前の計画段階で“遭難”しているケースがある」「入山前遭難」など計画や実行段階からの危険を指摘してきた丸山さんは、さらに「心が遭難している」という表現でも警鐘を鳴らしてきました。「『心』は用意のことで、十分な自覚をすること。そして勉強をすることが大切だということです」。山岳や雪という自然と正面から科学的に冷静に向き合うことの大切さを今回の雪崩事故は教えているようです。 ただ、雪崩遭難をきっかけに雪山訓練などの自粛や禁止の動きが出ることについては懐疑的で、「美しい冬山の自然に親しみ、訓練を重ねていくことは、適切な指導の下にこれからも進めていってほしい」と話していました。
◎丸山晴弘(まるやま・はるひろ) 1940年長野市生まれ。1961年以降北穂高岳滝谷ツルム正面壁、鹿島槍ケ岳荒沢奥壁ダイレクトルンゼなど初登はん。1971年、イラン最高峰ダマバンド峰(標高5671メートル)スキー初滑降。長野県山岳遭難防止対策協会講師。ニュージーランド山岳会会員
--------------------------------------------------- ■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説