玄関ドアは道路に正対させない。プライバシーを守れる&自家用車が停めやすい家づくり
1.プライバシーが確保できる
繰り返しになりますが、玄関を前面道路から横向きにすることで、玄関をあけたときに外から家の中を見られる心配がありません。 また、玄関が道路に面している場合、インターフォンの前に立って待っている訪問販売や宅配業者などから、玄関をあけた瞬間に家の中が見えてしまうということもあります。玄関を横向きにすることで、こうした外からの視線を防ぐことができます。 また、筆者も経験しましたが、小さな子どもがいる家庭では、子どもの靴を履かせたり、準備をしたりしている間は、扉をあけっ放しになりがち。こうした家庭にとって、外からの視線を気にせず、扉をあけっ放しにできるのは、とても便利です。
2.駐車がラクに。前庭も活用もしやすい
玄関を横向きにすると、玄関までのアプローチは自然と、左右いずれかの隣地との境界側になります。アプローチを端に寄せることで、駐車時にジャマになりがちな門柱も境界線側に設置することが可能に。前庭(前面道路と敷地との境界線から、建物玄関までの間につくられる庭)の有効活用もしやすくなります。
3.子どもの飛び出し防止などの安全対策になる
小さな子どもは、玄関をあけてそのまま道路まで走っていきかねません。しかし、玄関を横向きにすると、そのまま道路に出られません(直角に曲がることになる)。ですから、小さな子どもの飛び出し対策として、一定の効果があります。
ただし、隣家の窓との関係や防犯はしっかり対策を
玄関を横向きにするメリットについて書いてきましたが、当然メリットだけでなくデメリットも存在します。 まず1つ目は「隣家の窓(目線)」です。 玄関を横向きにする場合、お隣の敷地を向き合う可能性が高くなります。そのとき注意したいのが、隣家の窓の位置。玄関の前に隣家のトイレの窓やリビングの窓などがある場合には、気まずい思いをすることになります。こういう場合には、目隠しフェンス(写真)を設置するなどの対策が必要です。 そして2つ目が防犯の問題。 玄関を横向きにすることで防犯の問題も出てきます。玄関が外から見えないことから、不審者がいても気づかれにくいというデメリットが。ですから、ダミーの防犯カメラや、センサーライトなどの防犯対策が求められます。 最後にデザインの問題です。 ドアが正面にないことで、建物の外観が単調なデザインになってしまいがちです。とくに北側の道路に面している住宅の場合は要注意。北側の壁には、窓をあまりつけないことが多いので、玄関ドアがないとのっぺりとした見た目になりがちです。デザイン性を気にする人は、注意や工夫が必要です。