デビジョンシリーズに向け、調整するドジャース山本（撮影・菅敏）

　【ロサンゼルス（米カリフォルニア州）3日（日本時間4日）＝斎藤庸裕】ドジャースは日本人コンビで、4年ぶり世界一へのスタートを切る。5日（同6日）に開幕するパドレスとの地区シリーズの初戦は、山本由伸投手（26）が先発。当初は第2戦だったが、急きょ変更となった。ワイルドカード期間は大谷翔平投手（30）とともにチームの決起集会にも参加。ド軍は全体練習を公開し、守備練習やフリー打撃、練習試合（一部非公開）を行い、準備を整えた。パ軍は第2戦でダルビッシュ有投手（38）の先発が発表された。 【一覧】MLBプレーオフのトーナメント表 　　　　◇　　　◇　　　◇ 　3年ぶり突破をかけた地区シリーズの初戦、ドジャースは日本人コンビが命運を握る。メジャー7年目で初のポストシーズン（PS）出場となる大谷は2日前、チームの練習試合に参加し、第1打席は二ゴロ、第2打席は空振り三振で凡退。その後は非公開となった。この日、会見したフリードマン編成本部長は、最近のパフォーマンスを踏まえ「信じられないほど集中しているのが分かる。10月の戦いで彼を見るのが非常に楽しみだ」と言った。 　今季5勝8敗と負け越しているパ軍とのライバル対決。2年連続で地区シリーズ敗退のド軍は、山本を初戦先発に抜てきした。発表されていた第2戦の先発から変更となった。仮にシリーズ2勝2敗で第5戦にもつれこんだ場合、山本が第2戦の先発だと中4日。シーズン中でも経験したことのない登板間隔でリスクがある。一方で初戦先発なら、第5戦まで中5日で調整できる。第2戦に回る右腕フラーティも中4日で登板可能。同本部長は「第5戦で柔軟に対応できる」と、変更理由を説明した。 　山本がシリーズ開幕の第1球を投げ、大谷がドジャース打線のトップで打席に入る。世界一へ、渇望していた10月の戦い。フリードマン編成本部長は「彼と（移籍交渉で）12月に会った時、会話の全部が10月（の野球）についてだった。彼は本当にこの時を楽しみにしていると思う」と明かした上で、オクトーバー・ベースボールの大舞台に初めて立つ大谷について「侍ジャパンで彼は示した。特に（米国との決勝戦の）9回、あのイニングを見ればどれだけ素晴らしい競技選手かが分かる」と、類い希な勝負強さに期待を寄せた。 　同じチームで日本人投手が先発し、野手が出場したのは14年に2度、黒田博樹とイチロー（ヤンキース）が共闘したが、シリーズ初戦では初となる。前人未到の「50－50（50本塁打＆50盗塁）」を達成し、地区優勝に導く大活躍で勢いづく大谷と、PSを見据えて右肩の故障から万全で復帰した山本。ワールドシリーズ制覇へ向けた戦いで、侍コンビがまずは先陣を切る。 　▼ドジャース山本がポストシーズン（PS）のチーム初戦で先発する。日本人投手のPSチーム開幕戦先発は、99年吉井（メッツ＝現ロッテ監督）が第1号。吉井はダイヤモンドバックスのランディ・ジョンソンと6回途中まで投げ合った。1年目ではダルビッシュがレンジャーズ時代の12年に1試合制のワイルドカードゲーム（対オリオールズ）を任されて以来、12年ぶり2人目。勝利投手は22年ダルビッシュ（パドレス＝対メッツ）だけで、山本は日本人1年目初のPS開幕勝利なるか。