日鉄エンジが韓国同業と提携。洋上風力の基礎構造生産で
日鉄エンジニアリング(社長・石倭行人氏)は、洋上風力発電を支える基礎構造部材の供給体制を強化するため、海洋鋼構造物を手掛ける韓国SKオーシャンプラント(SKOP)と業務提携を結んだことを明らかにした。 先週都内で開かれた風力発電展で関口太郎執行役員(海洋本部長)が取材に応じ、両社が長期の協業に関する覚書を交わしたと明かした。洋上風力向け基礎構造の製作で連携を深め、日本や韓国など東アジアで伸びる需要に対応する。 両社は既に協業に入っており、日鉄エンジが受注した「石狩湾新港洋上風力発電所」(北海道石狩市)と「北九州響灘洋上風力発電施設」(北九州市)の2案件向けで、SKOPが「ジャケット」と呼ばれるやぐら状の基礎構造の一部製作を請け負った。 日鉄エンジは基礎構造の安定供給を強化するため、若松工場(北九州市)の生産能力増強も検討中だ。厚板を母材とする鋼管から造るジャケットは、高さ50メートル前後にもなる巨大な構造物。屋外でクレーンなどで組み上げて造るため広いスペースが必要なことから、増強では工場の敷地拡張や、クレーンや搬送用特殊台車といった重機の増設を検討する。 日鉄エンジは、現状で約200億円(23年度見込み)の洋上風力関連の売り上げ規模を30年度に1千億円へと引き上げる目標を掲げている。