初出場の女子・浜松商が37位の奮闘…3年生コンビが力走…全国高校駅伝
◇全国高校駅伝 (22日、たけびしスタジアム京都発着、男子7区間42・195キロ、女子5区間21・0975キロ) 女子で初出場の浜松商は37位と奮闘した。3年生コンビの1区の中川千愛と2区の戸塚光梨主将が上位集団と競り合う力走を見せた。2年連続3度目出場の浜松市立は29位だった。男子は、浜松日体が前半の大崩れを取り戻せず、男女とも拡大された出場枠58校の中、県勢男子ワーストタイの46位となった。 浜松商女子初の都大路を笑顔で締めくくった。1区の中川が先頭集団と競う最高のスタート。「先頭に絶対ついていく」。目標の区間10位ではなかったが、堂々の13位。続く2区の戸塚は3人を抜き、10位でつないだ。「後輩に全国レベルを経験させたい」という2人の願いがかなった。 中川の母は1998年に浜松日体が10年連続で出場した時の都大路メンバー。陸上を始めるきっかけになった親と違い、全国出場経験のない高校へ進学したが、「ゼロから始まるチームで歴史をつくりたい」と話していた。実際に全国出場をかなえ「歴史はつくれた。でもまだというのもあるので、後輩に任せたい」とニッコリ。3区の三輪芽久(1年)も「抜かされて悔しかったが、自分らしさは出せた。大きな経験になった」と胸を張る。 1年から続いた1区・中川、2区・戸塚のリレーで全国の舞台を走り切った。戸塚は「これで最後なんだな」と感慨深げに話す。卒業後に中川は実業団、戸塚は県内強豪クラブに進むが「切磋琢磨(せっさたくま)してきた仲でもあり、今後もずっとライバルです」。別々の道で成長していく。 〇…今年度限りで定年を迎える浜松市立の杉井将彦監督と教え子である浜松商の平龍彦監督(31)の師弟対決が実現した。杉井氏は「自分の指導で教員を目指してくれている人が実際に出ているのはうれしい」と笑顔。今後について退任の明言は避けるも、来年4月からは浜松市内の小中学生対象の陸上教室を設立することを表明した。杉井監督は110メートル障害の元日本記録保持者。浜松商、筑波大を経て、1992年から指導者になると浜松商で13年、浜松市立で20年にわたり陸上部を強豪に育て上げた。 〇…浜松市立・1区の大谷芽以(2年)は、区間24位の走りに大粒の涙を浮かべた。2年連続の都大路。昨年4区(3キロ)から今年は6キロの最長区間を任された。「第2集団で走ってラスト1キロでスパートをかけようと思っていた」が、入りに慎重になってしまった。終盤の追い上げで本領発揮。「10人を抜かすことはできて、力を発揮することはできた」と話したが、表情は厳しかった。来年のリベンジに向けて「もっと持久力、スピードをつけていきたい」と課題点を挙げた。 〇…浜松日体は最後まで諦めない心で走った。6区の小野真和(3年)は58チーム中54番目にタスキを受け取るも6人抜きの走り。「仲間に助けられてきたので、自分が頑張らなきゃと思っていた」。ただ序盤の失速を巻き返すまでに至らず、同校ワーストの2時間11分32秒で46位となった。北條尚監督(37)は「もっと走れる子ばかり、体調を整えられずに来てしまった僕の責任」と選手をかばった。12月頃から蔓延した風邪により、体調不良者が続出。2年連続1区を走った古井海成(3年)は先頭集団を走っていたが、4キロ地点から後退。「体調も良くなく、気持ち的に折れてしまった」と、区間57位と失速した。この悔しさを糧に大学での成長を誓った。
報知新聞社