“苦節10年”伊藤健人が38秒KO勝ちで悲願の王座獲得「王者になると言い続けて10年経ちました」と涙のマイク【Krush】
「Krush.158」(2月24日、東京・後楽園ホール)のダブルメインイベント第2試合で行われた「Krushライト級タイトルマッチ」で挑戦者の伊藤健人(K-1ジム蒲田チームアスラ)が王者・里見 柚己(team NOVA)を1R38秒で破り悲願の王座獲得を成し遂げた。 伊藤は2014年2月にKrushでデビューを果たし、同年11月に行われた新生K-1の最初の大会となる「K-1 WORLD GP 2014 ~-65kg初代王座決定トーナメント~」ではプレリミナリーファイトの第1試合に抜擢されている。 この日までのキャリアは30戦 14勝(4KO) 12敗 4分と勝ったり負けたりの中堅選手のポジションに甘んじていたが、2022年12月の鈴木翔也戦から3連勝し、昨年9月の新生K-1第2章の幕開けとなる「ReBOOT~K-1 ReBIRTH~」でKrush王者の里見と対戦というチャンスを手繰り寄せた。試合は王者になったばかりで、さらなる高みを見据える里見の勝利を予想する向きも多かったが、伊藤が2つのダウンを奪った上でのKO勝ちという番狂せ。ダイレクトリマッチでの王座挑戦にこぎつけた。
1R、サウスポーの里見とオーソドックスの構えの伊藤。伊藤の右インローに里見も左インローを返す。圧をかけた里見が左インローを連打すると伊藤が右ストレート。伊藤は右ミドル、右ハイで里見を下がらせると、里見の左インローにカウンターの右ストレート。まともに食らった里見が真後ろにダウン。本来、伊藤はニュートラルコーナーに待機しなければいけないのだが、伊藤が里見を見下ろしたまま。レフェリーが里見の様子を確認し、そのままKOを告げた。
伊藤はマイクを握ると「自分は絶対にチャンピオンになるとずっと言い続けて10年経ちました。でも、ずっと応援してくれる皆様がいて…」とここでたまらず号泣。「本当に皆様の応援があって、毎日過ごせて選手として生きてこれたので。本当に応援のおかげです。ありがとうございます。伝えたいことがあって。太田先生、10年かかったんですけど、このベルトを巻くと決めて、太田先生に教えていただいて。太田先生には感謝しかなくて。まだ途中なので。ひとつ形として、先生に感謝を伝えたいと思います。本当に勝ったり負けたりで、悔しい道が続いていたんですが、皆さんのおかげでこうしてベルトを巻くことができました。本当にこのチャンピオンベルトを巻くって言って10年かかったんですけれど、皆さんの応援のおかげで本当に巻けたと思っています。ありがとうございます」などと何度も感謝の言葉を繰り返した。