KEIRINグランプリ初出場の岩本俊介 絶望的条件を突破し40歳で掴んだ“夢切符”
追い込みからロング捲りまで兼備する“臨機応変”スタイル
岩本俊介はラインの先頭でも番手でも勝機をものにする選手。最近は捲り・追い込みが主体だが、いざとなれば長い距離を踏む仕掛けでも戦える選手。本人のコメントでは「たまたま展開が良かった」系の発言も目立つが、展開を向かせる立ち回りが光る選手だ。そもそも“たまたま恵まれて”で11連勝は無理があるというもの。特に象徴的なレースをピックアップすれば競輪祭の一次予選1だろう。 圧倒的人気は脇本雄太。脇本が確定板を外せば万車券という“脇本確勝”の支持率であった。しかし岩本が展開を引き寄せる走りで大波乱を起こす。レースは北日本2車が前受けになり、岩本はその後ろ3番手、脇本は最後方という隊列で進んだ。脇本が酒井を切りに行くが、酒井がこれを突っ張る。脇本を警戒して流し気味の酒井の意表を突くような仕掛けで、最終ホームに突入するタイミングで叩き切った。 トリッキーな仕掛けに岩本の番手和田健太郎も反応が遅れ連結を外してしまう。酒井と和田が岩本の後ろを巡って争っているところで1センターから脇本も仕掛けるが、岩本のカカリが良く、車間も大きく空いているため、脇本もなかなか捲って行けない。最終的に脇本は佐藤友和に厳しいブロックをもらい失速。岩本は後ろを寄せ付けることなくそのまま押し切って1着。勝機を逃さぬ仕掛けのタイミング、重要局面でも守りに入らぬ強心臓、何よりそれらを実現可能にする実質単騎で1周駆けて押し切る脚力。岩本の魅力が集約されているレースだった。 近年を振り返れば20年は和田健太郎が、21年には古性優作がグランプリ初出場初優勝の快挙を成し遂げている。南関東エリアでの開催に滅法強い岩本俊介が静岡の地で初出場初優勝に挑戦する!
応援メッセージ
最後に、現在netkeirinで募集中の投票企画「競輪ファンが選ぶ KEIRINグランプリ2024優勝選手」で岩本俊介に寄せられたコメントを紹介する。 「千葉の一発勝負!和田健太郎の再来」 「滝澤、鈴木誠、海老根、和田健太郎と謎の勝負強さがあるのが千葉」 「ここ10年を見れば初出場の選手も勝ってるのがグランプリ、北井より岩本が優位だと思う」 「苦労人が報われて欲しい」 「これまでの頑張りを応援、サプライズを期待」 「足を溜められる岩本に勝機舞い込む」