新型三菱アウトランダーPHEVは、“ランエボ”を彷彿とさせるSUVだった!!! ただし“上質”だったワケとは
オーディオへのこだわり
メーカーによると、満充電状態から100km超走れるとのことだ。最初にバッテリーを使いきる設定のため、残量が気になる場合、センターコンソールのボタンで「チャージ」モードを選べばエンジンが始動し、充電を始める。 エンジンが回りはじめたのは、かすかなバイブレーションでわかる。総じて音はとても低く抑えられていて、「シートの座り心地改善のためにステッチの入れかたまで見直した」と、開発担当者が語るシートに身をあずけていると、大変心地よい。 エンジン音をはじめ外部からの侵入音は低く抑えられている。プレミアムマーケットにおいては重要なことだが、アウトランダーPHEVでは、オーディオの音をよりよく聞かせたい……というのも、室内の静粛性を上げたもうひとつの理由だ。 「いい音を作るには、オーディオメーカーと自動車メーカーがともに努力しなくてはなりません」と、オーディオ担当者が(熱く)語ってくれたように、車内で音楽を聴くたのしみを持っている人には、これもアウトランダーPHEVの魅力となるはず。 私が乗った「P」パッケージには8スピーカーの標準仕様「Dynamic Sound Yamaha Premium」が装着されていた。最上級グレード「Pエグゼクティブパッケージ」との違いは、後者では、ヤマハのオーディオがデュアルアンプと12スピーカー(サブウーファーつき)の「Dynamic Sound Yamaha Ultimate」になることだ。 Dynamic Sound Yamaha Premiumの音も、悪くない。ロバート・グラスパーを聴いたら、ピアノの高音からベースの低音までバランスよく再生された。ただし、かつてDynamic Sound Yamaha UltimateとDynamic Sound Yamaha Premiumを聴き比べた経験からすると、Dynamic Sound Yamaha Ultimateは、更に良い。 せっかくアウトランダーPHEVに乗るなら、¥198,000の差額を払ってでもオプションのDynamic Sound Yamaha Ultimateを選ぶ“贅沢”もおおいにアリ! と、思った。 PとPエグゼクティブパッケージの価格差は、¥6,314,000(5人乗り)に対して¥6,594,500(同)と、¥285,000。後者にはセミアニリンレザーの表皮やベンチレーション機能をもったシートもそなわるので、どうせならいっそ……と、思わないでもないのだ。 なお、ボディの空力性能の見直しやPHEVシステムの効率化などで、燃費も向上。メーカー発表値をみるとPグレードではリッターあたり16.2kmから17.2kmへ伸びた。
文・小川フミオ 写真・田村翔 編集・稲垣邦康(GQ)