石川遼、史上12人目のツアー通算20勝!残り3戦…逆転賞金王へ視界〝遼〟好/国内男子ゴルフ
三井住友VISA太平洋マスターズ最終日(10日、静岡・太平洋C御殿場C=7262ヤード、パー70)首位と1打差の2位から出た石川遼(33)=CASIO=が5バーディー、2ボギーの67と伸ばし、通算11アンダーで今季2勝目を挙げた。史上12人目のツアー通算20勝を、史上5番目の若さ(33歳54日)で達成。この大会単独最多の4勝目を飾った。賞金4000万円を獲得し、ランキング5位に浮上。今季残り3試合で、2009年以来、2度目の賞金王を目指す。 【写真】通算20勝目を挙げ、手荒い祝福を受ける石川遼 御殿場の最終18番、パー5。大歓声を巻き起こしたのは、今年も石川遼だ。3人が首位に並ぶ中、残り230ヤードから3番ユーティリティーで8メートルに2オン。2パットでバーディーを奪い、両手を空へと突き上げた。 「最後の最後にチャンスをつかめた。諦めないでやってよかった」 単独首位で出た金谷が伸ばせず、トップに立っていた2組前の谷原が18番で3パットのボギーをたたくなど、ライバルが次々と逃していった好機を、しっかりつかんだ。大会名物の超高速グリーンも攻略。「昔から憧れがあった。大会の全てが好き」という、52回目となった伝統のトーナメントの女神は再び石川にほほ笑み、大会4勝目だ。3勝で並んでいた尾崎将司、中嶋常幸らを抜いて単独トップとなった。 33歳54日でツアー通算20勝目。中嶋、尾崎将らに次ぐ5番目の若さで到達した。初Vは15歳のアマチュアだった2007年。米ツアーに参戦したシーズンもあった。「最高潮からキャリアが始まっているのは幸運。苦しかった、悩んだ時期もあった。それでもまだ33歳なんだ、と」と振り返りつつ、「20という数字に強い思い入れはない。勝利数は単なる指標。もっと鍛えていけばチャンスはある。これからが勝負」と言い切った。 三井住友カードとスポンサー契約を結び、前日は1万人超、4日間で2万7449人が集まった大会の顔も務めた。「アンバサダー」としてゴルフクリニックや撮影会に参加。プレー後も活動し、ツアーを盛り上げるべく笑顔をふりまいた。 4000万円を加えた今季獲得賞金は約7711万円に。ランキングは16位から5位に浮上し、首位の平田憲聖に約3082万円差と迫った。「コツコツと頑張って、さらに上に行けるように。来週以降も盛り上げたい」。今季残り3試合の優勝賞金は全て4000万円。09年以来、2度目の賞金王を視界に入れた石川が、ツアー最終盤の主役となる。(石井文敏)