ドジャースのワールドシリーズ制覇に貢献したT・ヘルナンデス。(C)Getty Images

　ドジャースと相思相愛と見られたテオスカー・ヘルナンデスの去就はなかなか行く先が見えてこない。 【動画】追撃のグランドスラム！T・ヘルナンデスが中堅へ豪快な一発 　昨オフに1年2350万ドル（約36億円）でスター軍団の仲間入りを果たしたT・ヘルナンデス。シーズン中はムーキー・ベッツやフレディ・フリーマン、そして大谷翔平とともに打線の中軸に君臨。154試合に出場して33本塁打、99打点、OPS.808のハイアベレージを残し、攻撃の要としてチームの4年ぶり8度目のワールドシリーズ制覇に貢献した。 　充実の1年を送った32歳だが、今オフにFAとなった。ただ、本人の思いはあくまでドジャース残留が最優先。11月1日（現地時間）に本拠地ロサンゼルスで行われた優勝パレード後には「みんなが夢をかなえてくれた。ワールドチャンピオンにしてくれてありがとう」と涙で吐露。そして「前にも言ったがドジャースが（契約の）最優先だ。来年またこのチームでプレーするために全力を尽くす」と訴えた。 　もっとも、現時点でドジャースとの交渉に進展は見られていない。複数年契約を望むT・ヘルナンデスとの間に溝が生じているという見方もあり、話し合いが暗礁に乗り上げている状態というわけである。 　無論、年間を通じた活躍が見込める右のスラッガーは、FA市場でも人気銘柄だ。ゆえに他球団からの関心も強まっている。そして、ここにきて浮上しているのは、ヤンキース行きの可能性だ。 　目下、今オフにFA退団をしたフアン・ソトとの再契約に全力を傾けているヤンキース。仮に複数球団との争奪戦に敗れ、26歳の主砲を流出させてしまった場合の“保険”としてT・ヘルナンデスを注視しているという。 　球界の事情通として知られる米スポーツ専門局『ESPN』のジェフ・パッサン記者は「ヘルナンデスが（今オフのFA市場で）最初に契約をする大物選手の一人になる可能性が高い」とした上で、こう続けている。 「ヘルナンデスが少なくとも3年の契約を望んだのは、ディビジョンシリーズとワールドシリーズでの大活躍があったからに他ならない。ドジャースは最有力候補だが、そこにはレッドソックスもいる。そして、ヤンキースはソトが戻って来なかった際の“プランB”として彼を欲しがるだろう」 　有力タレントが多く、各球団の事情が複雑に絡んでいる印象もある今オフのFA市場。果たして、日本でも話題となった陽気な人気者の新天地となるのはどこか。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]