高校生が広告コピーに挑戦 都内で宣伝会議が出張授業
東京都立王子総合高校(東京都北区)で10月9日、宣伝会議(東京都港区)の出張授業があり、授業でマーケティング科目を選択する同校の2、3年生計81人が、電通(東京都港区)のコピーライター・阿部広太郎さんらを講師に、企業・商品をPRする「広告コピー」の作り方のコツを学び、コピー作りにも挑戦した。 同校での宣伝会議の出張授業は今回3回目。広告関連の出版・マーケティング事業などを展開する宣伝会議が1962年に創設した、優れた広告コピーやCM企画を表彰する「宣伝会議賞」の作品募集活動の一環で実施しており、同校側も生徒の学習意欲を高めるとして受け入れている。 「宣伝会議賞」の中高生部門審査員長でもある、この日講師を務めた阿部さんは広告コピー作りには「正解はない」として「自分なりのアンサー(答え)を持つことが大事」と指摘。そのためには、例えば「夏→スイカ」「冬→雪ダルマ」というような常識的な「枕ことば」的発想の言葉は避け、自身のさまざまな“経験・思い出”に照らして宣伝対象物の“本質”にさかのぼって「言葉(広告コピー)」を考え出す必要性を強調した。 具体的には、広告コピーを作る際に「そもそも」(=本質)▽「たとえば」(=経験・思い出)▽「つまり」(=広告コピー)―の3つの接続詞を意識して考えていくと「自分なりのアンサーが出てくる」として、広告コピーの思考フレーム(枠組み)の一例を紹介した。 これらの阿部さんの話を参考に生徒は、「宣伝会議賞」の協賛企業である「第一三共ヘルスケア」(東京都中央区)や「川田工業」(東京本社・東京都北区)の商品や事業を宣伝するテーマを与えられ、効果的な広告コピーの制作に挑戦した。 第一三共ヘルスケア広報部の高橋藍子さんは、自身の健康を自ら維持する「セルフケア」のテーマを生徒に示し、同社YouTubeチャンネルで展開する同社のネコキャララクター・ねこいちさんの「発言文句(キャッチコピー)を考えてください。文句の最後に『にゃん』とか付けてもらってもいいですよ」と生徒に広告コピー制作をお願いした。 出前授業を受けた3年生の生徒は「将来マーケティングの仕事に就きたいので、授業はとても興味深い内容でした。広告コピーはこうやって作るんだ、ということが分かって面白かった。セルフケアがテーマのねこいちさんの発言文句(コピー)は、第一三共と健康第一に共通する“一”を生かして作りました。自分なりのアンサーといえる、いいコピーが作れたと思います」と話した。