【師走ひと模様】能登を思う光の映像 福島県伊達市・円福寺住職の石井祐晃さん
境内が幻想的な光に包まれる。雄大な九十九湾や巨大スルメイカのモニュメント「イカキング」…。映し出されるのは石川県能登地方の景色を基にした映像だ。福島県伊達市保原町の円福寺本堂で25日、恒例のプロジェクションマッピングが始まった。「これを見て能登を思い浮かべる人がいてくれれば」。住職の石井祐晃さん(28)は願う。 ◇ ◇ 能登は今年、苦難の連続だった。年が明けてすぐに大地震が襲い、秋には大雨に見舞われた。年の瀬を迎え、人々はどう過ごしているのだろう。被災地を思うと胸が締め付けられる。 自身は中学2年の時、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故を経験した。能登の現状を伝える報道に接する度、福島県の状況と重ね、復興の道のりの険しさを感じる。「何か力になれることはないか」。義援金を集めたり復興を祈願したり。これまでできる範囲で支援を重ねてきた。 ◇ ◇
ともに頑張ろう―。プロジェクションマッピングにはそんな意図も込めた。「福島は一歩一歩、前に進んでいる。時間はかかるかもしれないが、能登の復興だってきっとかなう」。これからも心を寄せていくと誓っている。 円福寺の住所は伊達市保原町二井田字泉畑55。プロジェクションマッピングの実施日と時間は不定期で年末まで実施予定。入場無料。問い合わせは同寺へ。