大きな虫を「どうぞ」…贈り物を持ってくるようになった黒猫は妊娠中!「うちで赤ちゃん産みたい?」と聞いた答えは 6匹の新たな命が誕生
万全の準備で挑んだ“尊い出産”
ビビちゃんの妊娠に気づいた1カ月後。飼い主さんは「うちで赤ちゃん産みたい?うちの子になる?」と、目を見て尋ねました。 すると、ビビちゃんはゆっくりまばたき。Okのサインだと感じた飼い主さんはビビちゃんを保護。動物病院で健康状態もチェックし、出産準備の仕方やトラブル時の対応などを勉強し始めました。 堕胎を選ばなかったのは、先代猫と同じ行動をしたビビちゃんに運命的なものを感じていたから。 「この子の出産をサポートしなきゃ、産まれてくる子猫たちをビビと一緒に育てなければ、という責任感が芽生えました」 妊娠期には栄養価の高いフードをあげ、お腹の子が元気に育つようにフォロー。出産が近づくと、和室の押入れやリビングソファの下、寝室のベッド下など至る所に「出産箱」を用意。気に入った場所で産めるように配慮しました。 ビビちゃんが選んだのは、ベッド下に置いた出産箱。2024年4月中旬、ビビちゃんは無事、6匹の子猫を出産しました。 出産時、飼い主さんは得た知識をフル活用してサポート。1匹目を綺麗に舐めきれていないのが気になり、2匹のケアに手が回らないビビちゃんを見た時には、ゴム手袋をはめて1匹目を少し横にずらし、2匹目に集中できるよう、フォロー。 「ビビはすぐに羊膜を破り、子猫は無事、産声をあげました」 逆子だった3匹目は、生まれるまでに30分ほどかかったそう。飼い主さんは辛抱強く、見守り続けました。 「4匹目と5匹目は、約15分間隔でスルっと産まれました。6匹目は逆子。一番時間がかかりました。足が出ているのになかなか産まれてこず、ビビは5匹のお世話に夢中だったので、用意していた別の箱に子猫たちを移し、出産をサポートしました」 一番小さな6匹目の子がか細い産声をあげてくれた瞬間、飼い主さんは安堵。約3時間の出産が無事、終わったことに大きな喜びを感じました。
仲睦まじい親子猫にパワーを貰う日々
母となったビビちゃんは子煩悩で、我が子の鳴き声が聞こえると、すぐ子猫のもとへ。6匹全員を平等に深く愛し始めました。 一方、子猫たちは生後半月を過ぎた頃から、出産箱の外が気になるように。 「誰かが脱出に成功すると、競い合うように外へ出たがりました。ビビはヨチヨチ歩く子猫たちを出産箱に戻すのですが、子猫たちはまた箱の外へ。そのループが微笑ましかったです」 全員、うちの子にしたい。そう思うも、自身の年齢や多頭飼い未経験であったことから、飼い主さんは里親探しをスタート。その結果、2匹の子猫は息子さんの親友宅で暮らすことになりました。 「4匹の里親さんも探さなきゃ…と思いつつ、毎日一緒に過ごすうちに情が湧き、離れられなくなっています」 ビビちゃんは出産から4カ月後に不妊手術を受け、スレンダーボディが“魅惑のふっくらボディ”に変わってきているそう。 「モチモチしたボディで甘えてくるのがかわいい。超大物の獲物と仮定しているのか、小さい猫用枕を持ってきてはドヤ顔をします(笑)」 なお、飼い主さんいわく、ビビちゃんを迎えると、ほとんどの野良猫が自宅にやってこなくなったそう。最近は、地域猫のサビ猫ちゃんが再来しています。 猫の出産に立ち会えたことで、命の重みや尊さを学べた――。そう思う飼い主さんは、ビビちゃんの息子にも先代猫の面影を感じることがあるそう。 「ライトが先代猫とそっくりな変わった行動をするようになってきた。もしかして生まれ変わりかも…と、いいように解釈しています(笑)ビビたちのおかげで毎日、楽しくて幸せ。この縁は、先代猫が紡いでくれたのかもしれません」 (愛玩動物飼養管理士・古川 諭香)
まいどなニュース