「生後8か月で亡くなった愛娘に合う仏具が見つからない…」ガラス仏具店を開店した女性の想い
依頼は、大切な人との思い出を反映したデザインも
――現在、Bee-Sではどのような商品を展開していますか。 仏具や骨壷カバーなど、基本的にはセミオーダーのスタイルで、それぞれのお客さんに合わせた作品を手作りしています。一つひとつがユニークで、同じものがない点が特徴です。 最初のラインナップは、私が娘に買ってあげたいという思いから出発して、それをベースとした作品を提案していました。それに対してお客さんからの要望が増えてきて、今ではさまざまな種類の作品を作っています。 ――骨壷カバーも多く展開されています。骨壷カバーに着目した理由はありますか。 仏具をお送りしたお客様からお写真をいただくことも多いのですが、写真を見ていたらかわいいものを揃えているけれど、骨壷カバーだけ空間に馴染んでいないように感じていました。ネットで骨壷カバーについて調べたところ、やはり古風なものしか見つからず。そこで、かわいい骨壷カバーを自分で試行錯誤して制作するようになりました。 ――やはり骨壷も故人の存在を感じる大切なものなんですね。 我が子を亡くした方の中には、遺骨を納骨せずに自宅に置いておく親御さんや、自分が亡くなったときに一緒に納骨してほしいという親御さんが多くいます。 親の心境として、大切な我が子を感じられる遺骨を本人が会ったことがないご先祖様と一緒にお墓に入れるのは、寂しい思いをまたさせてしまうと感じることもあります。愛する我が子とずっと生涯一緒にいることを考えると、その人らしい骨壷カバーはとても大切な要素なんです。
当初は9割以上が子どもを亡くした親からの依頼だった
――どういった方がBee-Sの仏具を求めにいらっしゃるのでしょうか。 以前は9割がお子さんが亡くなられた方でしたが、最近は親御さんが亡くなられたお客様なども増えている印象です。弊社はペット用の商品は扱っていませんが、「ペットにも購入してもいいですか」というご連絡もいただきます。大切にされる気持ちがあれば、どなた様用のものでも構いませんとお伝えして、ご希望に合った商品をお届けしています。 ――お客さんからはどんなオーダーが多いですか? 子どもの名前にちなんだ柄、生まれた季節の模様、好きなキャラクターなどに基づいたデザインのリクエストが多いですね。あとは、お洋服のリメイクや色合いの組み合わせなど、お子さんが使っていたものや個性を反映させたデザインなどもあります。 具体的には、ふわふわのレースを使ったドレス風のデザインや、宇宙柄やヒーローがテーマのデザインを加えたり、七五三や入学式用の着物をイメージとした作品を作ったりと、お客さんのニーズに応じて多彩なアイテムを提供しています。 ――オーダーを受ける際に必ず聞いていることはありますか? 明確にイメージが定まっていないお客様には、最初にお好みの色について希望をお伺いします。ご希望があれは、それに合う色のサンプルを送って、その中でお気に入りのものを見つけ、段階を経てイメージを絞り込んでいく方が多いです。実際に製品を見たい方にはショールームに足を運んでいただき、お客様と数時間一緒に話しながら決めることもあります。もちろん、一度自宅に帰って考えたりする方もいます。