建築基準法が生活を便利にする? コンビニ新設とエリア規制
来秋の消費税率引き上げ実施を政府が明言したことを受け、軽減税率導入に絡むコンビニのイートインでの飲食が議論の的になっています。全国で6万店舗以上あるコンビニは、今や私たちの日々の暮らしに欠かせない生活インフラです。 【画像】建築基準法が生活を便利にする? 容積率緩和とネット通販の関係とは そのコンビニの新設は、場所によって法律で制限がかかっていますが、実は来夏、建築基準法の運用を緩和する政令が施行されます。国土交通省は詳細を詰める作業を進めていますが、これによってコンビニの出店がこれまでより容易になるといわれています。今回の用途規制の緩和により、私たちの暮らしはどのように変わるのでしょうか?
住居系の用途地域ではコンビニが新設できず
東京や大阪といった大都市圏なら、駅前でいくつものコンビニを見つけることができます。自宅の徒歩圏に何店舗かあり、そのときの気分で行くコンビニを変えるという人もいるでしょう。 どこでも目にするコンビニですが、実は出店できるエリアは法律で定められており、自由に出店できるわけではありません。 「都市計画法」では、エリアごとに役割を分担できるよう用途別に「住居系」「商業系」「工業系」と線引きしています。そのうち、住居系と呼ばれる用途地域では、平穏な生活が営めるよう、住居以外の建設を厳しく制限しています。 住居系の用途地域は8種類に区分されています。そのうち「第1種低層住居専用地域」では、店舗と住宅が兼用になっている店でなければ出店できません。「第2種低層住居専用地域」では、床面積150平方メートル以上の店舗が出店できないように定められています。 「これらは原則であり、市町村などが設置している建築審査会の審議を経て許可を受ければ、特例的に出店することは可能です」と話すのは国土交通省住宅局市街地建築課の担当者です。 しかし、建築審査会に諮られる場合、出店者側にも多大な時間や労力を要することもあって、わざわざ許可を得て出店するのは稀なケースです。これらはコンビニだけではなく、スーパーや雑貨店、飲食店などにも適用され、コンビニだけが特別に厳しく規制されているわけではありません。