センバツ2022 粘りの試合に期待 近江の活躍、陰で支え 地元野球用品店 彦根 /滋賀
第94回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)に急きょ出場が決まった近江高校野球部を、30年以上にわたって支える野球用品店「栗田スポーツ」(彦根市中央町)が初戦の劇的勝利を手書きポスターで伝え、エールを送っている。 同店は約55年前に開店し、現在は2代目店主の栗田大輔さん(47)と母の比早子さん(75)が切り盛りする。近江とは多賀章仁監督(62)が就任した1989年ごろから付き合いを始め、多くの選手の活躍を陰で支えてきた。エースの山田陽翔主将(3年)も入部当初から通っており、用具への強いこだわりをくみ取って、実力が存分に発揮できる商品を提供しているという。 大輔さんによると、「高校野球ファンにはなじみ深い『近江ブルー』のユニホームは、地方大会と甲子園用では色合いに違いがある。甲子園用の方が光沢が強く、ブルーが映える」という。今回は17日に急きょ繰り上げでの出場が決まったが、大会2日目(20日)の初戦にしっかり間に合わせ、より鮮やかなブルーで激闘を彩った。 「栗田のおばちゃん」として親しまれる比早子さんは、初戦の勝利を祝う手書きのポスターを作り、店頭に掲げた。「試合前日には多賀監督が店を訪れ『頑張ってきます』と言っていた。暗い話題が多い中、近江ナインの活躍は本当にうれしい」と喜ぶ。大輔さんも「粘り強い近江野球が見られた。今後も強敵と当たるが、地力はあるので大いに期待したい」と力を込めた。【礒野健一】