「PFI」は財政状況変化に対応できない―中村健・愛知県西尾市長に聞く(下)
少子高齢化ビジョン「若い人の感性、政策に取り入れたい」
── PFI問題を超えた少子高齢化社会に向けたビジョンは。 少子高齢化を迎えるのはどの自治体も同じですが、西尾市では旧3町を中心に公共交通の充実を求める声が多い。正直、採算性は厳しいですが、ある程度は採算を抜きにして公共が責任を持ってやらなくてはなりません。 そこに例えば自動運転技術を取り入れてコスト削減ができないだろうかとか、今は出てこなくても、もう少し先に新しい発想が出てくるはず。それは若い人の強い部分です。若い職員が自発的に考えて動けるような風通しのよい組織にできれば、新しい発想や政策が自ずと出てきます。自分自身も政治的に若いと言われる年齢なので、若い人の感性を大事にして、政策としても取り入れるようにしていきたい。 子育て支援では、病児保育や病後児保育の充実を選挙でも訴えてきました。財源のめどがつけば、保育料や幼稚園の授業料を段階的に無償化していきます。教育の環境整備には不備のないよう予算を投じていきたい。 わが家にも生後4カ月の長男がいて、私も公務に支障のない範囲で自宅に戻り、お風呂に入れるなどしています。そんな実体験を伴いながら政策を考えていきます。現状のPFIの計画には、必ずしもそうした視点が取り入れられているとは思えませんから。 ※インタビューは2017年9月7日、西尾市役所本庁舎で。 ---------- ■関口威人(せきぐち・たけと) 1973年、横浜市生まれ。中日新聞記者を経て2008年からフリー。環境や防災、地域経済などのテーマで雑誌やウェブに寄稿、名古屋で環境専門フリーペーパー「Risa(リサ)」の編集長も務める。本サイトでは「Newzdrive」の屋号で執筆