サンフレッチェ広島、中野就斗はさらに強くなる。繰り返した「もう一回」の言葉。忘れられぬ試練を「乗り越えてこそ」【コラム】
「チームでも代表でも海外でも活躍できると…」
ルーキーイヤーの途中から、中野はリーグ戦において49試合連続で先発に名を連ねている。3バックの右を主戦場として、荒木が負傷離脱した間には中央でプレーし、前への推進力と強度の高い守備、さらにクロスの正確さを生かして右ウイングバックでもプレーしながら広島の戦い方の幅を広げてきた。 特に今シーズンのプレー時間は、フィールドプレイヤーでは最長の3169分と、フルタイム出場を果たした場合の97.8パーセントに到達。昨シーズンは「1」だったゴール数もチーム6位の「5」を数える。広島に必要不可欠な存在に成長し、さらに上を見すえる矢先に忘れられない試練を味わった。 「今日は自分のミスが失点につながってしまいましたけど、こういう試練を乗り越えてこそもっともっと成長できるし、チームに勝利を届けられると思っている。もっと相手から恐れられる選手になりたいし、攻守においてパーフェクトな選手が、チームでも代表でも海外でも活躍できると思っている。決してマイナスには考えずに、まだまだ成長が必要だと言い聞かせながら、もう一回、前を向いてやっていきたい」 残り2試合となったリーグ戦で、神戸は30日に敵地で柏レイソルと、広島は翌12月1日にホームで北海道コンサドーレ札幌と、ともに残留がかかったチームと次節で対峙する。逆転優勝を手繰り寄せ、青山とともに笑ってシーズンを終わるキーワードに「もう一回」を掲げながら、中野は再び走り出している。 (取材・文:藤江直人)
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