誹謗中傷等に対する対策について
3. 誹謗中傷者を相手にしない
少し前のところで述べたとおり、誹謗中傷者に抗議やクレームをしても、かえって逆上したり意固地になって仕返しをしようと、誹謗中傷や個人攻撃をエスカレートさせて、ネット・SNSや雑誌等で、被害者に対してしつこく何回も誹謗中傷を繰り返したり、誹謗中傷を増幅させる、といった事態が往々にして起こる、これが現実です。 そのため、誹謗中傷や個人攻撃への基本的な対応策は、黙殺、つまり誹謗中傷者を相手にしない、ということになります。 誹謗中傷者の中には、あえて挑発的な誹謗中傷や個人攻撃を行って、被害者の反論を誘い出そうとするケースなどもあります。 誹謗中傷者の動機としては、要するに「被害者に相手にしてもらいたい」という場合もあれば、YouTube等での視聴回数稼ぎなどもあります。 また、誹謗中傷者に抗議などをすると、「反論があるならYouTubeで対談しよう」と言ってきたり、雑誌等が「反論を掲載する」などと言ってくる場合もあります。 いずれにせよ、誹謗中傷者による、こうした誘いに乗る必要も価値もありません。 万が一にも、こうした誘いに乗れば、誹謗中傷や個人攻撃を行って被害者を挑発することで、誹謗中傷者としては思ったとおりになる、場合によっては金を儲けることもできる、ということになりかねず、誹謗中傷や個人攻撃を助長することになってしまうからです。 以上のとおり、誹謗中傷者については、まともに取り合うことなく、相手にしない、というのが原則的な対応です。
4. 誹謗中傷者に対する抗議や法的手段の選択をせざるを得ない場合
ただ、誹謗中傷者が、それでもなお、様々な媒体等で誹謗中傷を繰り返している場合などは、「誹謗中傷者を相手にしない」というままでは、本当に泣き寝入りにしかなりません。 あるいは、その誹謗中傷者が昔から当該被害者に対する誹謗中傷を行っており、何か誹謗中傷できるネタがあれば、すぐにでも誹謗中傷を行うという人物の場合、放置は根本的解決になりません。 また、その誹謗中傷により、いわゆるデジタル・タトゥーが生じる場合など、これを防止または是正するために、法的手段をとらざるを得ない場合もあります。 そこで、そうした悪質な誹謗中傷者の場合には、被害者としては、やむなく、抗議を行ったり、法的手段をとることになります。 もちろん、誹謗中傷者の中にも、純粋に自分の意見があって、ただ、その意見を表現するにあたり、表現が感情的になったり、行き過ぎてしまった、というケースもあります。そうしたケース(悪質でないケース)の場合には、抗議を行えば、それを契機に、誹謗中傷者は誹謗中傷をピタリとしなくなります。そうした人は、もともと、他人を侮辱したり個人攻撃するようなつもりなどありません。別にそのような侮辱的表現や個人攻撃的な表現など使わなくても、意見に内容や根拠があるのならば、その意見を冷静かつ論理的に展開することに、何の支障もありませんから、誹謗中傷者が自分で気付けば誹謗中傷を止めます。 ただ、残念ながら、多くのケースはそうではなく、被害者が誹謗中傷者に抗議を行ったり法的手段をとることで、誹謗中傷者が逆上したり意固地になって誹謗中傷をエスカレートさせる結果になります。 というのも、誹謗中傷者が誹謗中傷を行う動機も様々であり、特に被害者に対する妬みや嫉妬などが原因の誹謗中傷も多く、その場合には、誹謗中傷のエスカレートという結果になります。下手をすると、意固地になった誹謗中傷者が、次で述べるような情報操作手法を駆使しつつ、その被害者に対する誹謗中傷や個人攻撃を人生の生きがいにしていく、などということになります。 ここが誹謗中傷対策の最も難しいところです。