仕事が長続きしなかった芸人・やす子が「働くって楽しい」に気持ちが変わった理由
ある単独ライブがきっかけで気持ちが変わった
とはいえ、自衛隊から芸人への転身は、やす子さんにとって大きな決断だったはずだ。今回の映画もトーマスたちの冒険や勇気を描いているが、どういうきっかけで今の道に突き進んだのだろうか? 「自衛隊を辞めたのは、入隊して2年たった頃です。特別な理由があったに違いないと思われるみたいなんですが、実際には特に深い理由はなく、ある日突然ふと『辞めよう』と思っちゃったんですね。上官からは、『社会ではやっていけないぞ』とか『ご飯のおかわり自由にしていいから』とやめるのを何度も止められました(笑)。その後、友だちに誘われ21歳でお笑いの世界に飛び込んだものの、そのときもフラッと入っちゃったので、最初のうちは『辞めようかな、どうしようかな』と迷いながらやっていました」 最初はなんとなくノリで始めたお笑いだったが、やす子さんのやる気スイッチを押したのは、あの芸人さんのライブを観たことだった。 「どうしようかなと思っていたある日、ハリウッドザコシショウさんの単独ライブのお手伝いすることになったんです。仕事の合間にライブを観させていただいたら、ピンで2時間以上も大爆笑させ続けていることに『芸人さんってカッコいいなあ! 』と感動してしまって。『自分もこの会場がいっぱいになるくらいの人を集めて、単独ライブをやってみたい! 』と思ったんです。そこから本腰を入れて芸人をやるようになりました。ハリウッドザコシショウさんがいなかったら、今芸人を続けていたかわからなかったと思います。 年齢を重ねた今は、少し大人になったこともあって、以前よりもひとつのことを続ける大切さがわかってきた気がします。やっぱり何かをやり続けている人ってカッコいいんですよね。だから、自分も少しばかり大変なことがあっても、『険しい道だけど頑張って続けてみるか! 』と言いながらやっています、はい~」 そして、やす子さんにとって一番励みになるのは、やはり「面白かった!」という言葉だという。 「ファンの方からのお手紙を読ませていただくと、『よかった、ちゃんと伝わっているんだなあ』と感じます。人の心を動かすことができたと感じられることは本当にうれしいことだなって思います」