【ソフトバンク】長谷川威展 現役ドラフト加入でブレーク…小久保監督も注目した〝大声投球〟の理由は
日本ハムから現役ドラフトで今季ソフトバンクに加入した長谷川威展投手(25)が3年目にしてブレーク。キレ味鋭いスライダーを武器に、貴重な左のサイドスローとしてキャリアハイの32試合に登板し、4勝0敗6ホールド、防御率2・49の好成績を残した。チームの4年ぶりリーグ優勝に貢献した変則左腕に、充実の今シーズンを振り返ってもらった。 【写真】長谷川が「タコパ」をともにするソフトバンクの先輩投手 ──今季は8月に1度目の登録抹消となり、倉野投手コーチから出された課題は 長谷川 左(打者)をしっかり抑える。そのために自分の引き出しを増やすこと。 ──今季の対左打者への手応えは 長谷川 打たれる時もありましたけど、基本的には気持ちのいい打撃をさせない、そういう投球はできたと思います。 ──キレ味鋭いスライダーの位置づけは 長谷川 軸はスライダーなんですけど、出し入れというよりは、そこに持っていくための布石。インコースを使ったり、逆に真っすぐでどんどんいってみたり。そのおかげでスライダーが生きている。 ──緊迫した場面での登板も増えたが、マウンドでの気持ちは 長谷川 弱気になってしまったら、のまれてしまう。そこにのまれないように強い気持ちですね。 ──小久保監督がマウンドでの大声について言及したこともあったが、気合は表に出るタイプ 長谷川 もともとそんなに出すタイプではないけど、弱気になったら野球の流れというか、そういうのに、のまれそうになる時はあるので、無理やり声を出したりとか。自然と出してる日もあるけど、先に声を出すぐらいの気持ち。心理学的にはすごくいいことなので。先に声を出すことで闘志が後から出てくる。 ──ホークスに移籍して1年、チームの特徴は 長谷川 勝ち試合が多くて明るい雰囲気で1年間やれたと思う。負けた時は雰囲気が良くない時もあるけど、次の日にはみんな今日も頑張ろうかぐらいの明るい雰囲気があった。そういうところはすごくいいなと。 ──救援陣もそうか 長谷川 フランクですね。緊迫した場面も切羽詰まることもなく。 ──倉野投手コーチの存在は 長谷川 そんな多くはしゃべらないけど、ひと言ひと言が的確というか、全部は言わないでヒントだけくれる。少ない言葉で考えさせられて、自分の中で答えを見つける感じ。 ──プライベートで出掛けることもあるのか 長谷川 津森さんと行くことが多いですね。あとは岩井とか。試合のない日に4、5人で津森さんの家でタコパ(たこ焼きパーティー)をやったことはありますね。津森さんがめちゃめちゃ食べて、みんなで100個くらい食べる。 ──休みの日は何を 長谷川 福岡で1日休みの日があまりないので、何をしているとかはないですね。やらなきゃいけないことをやったり。洗車に行ったりとか(笑)。そういう感じになっちゃいますね。あまり時間ないので。 ──花咲徳栄高で同級生だった西武・西川愛也外野手とは連絡は 長谷川 仲良くて結構連絡取りますね。一緒にゴルフとかも行きますし、ライブとかも。フェスで僕と西川が登場曲で使ってる曲(『世界を終わらせて』)が一緒なので、そういうバンド(ハルカミライ)を見に行ったりとかですね。 ──リーグ優勝時のビールかけのインタビューでは、わざと淡々と話してウケを狙っていたが、自身ではどんなキャラクターか 長谷川 詳しいですね(笑)。まあまあ、突然ボケ出す感じですね。今後も小ボケを挟んでいこうと思います(笑)。(インタビュー・松岡直生) ☆はせがわ・たけひろ 1999年8月9日生まれ、埼玉県大宮市(現さいたま市大宮区)出身。左投げ左打ち、投手。背番号59。身長178センチ、体重85キロ。花咲徳栄高では2年時に外野手から投手に転向。3年夏の甲子園大会では同期の清水達也(中日)、西川愛也(西武)を擁して全国制覇達成もベンチ外だった。金沢学院大に進学後はリーグ戦で22試合に登板し1勝0敗、防御率0・23と圧巻の成績を残し、2021年ドラフト6位で日本ハムに入団。23年オフに現役ドラフトでソフトバンクへ移籍した。テークバックの小さなフォームから最速151キロの直球、スライダーで翻弄するスタイル。今季はキャリアハイの32試合に登板し4勝0敗6ホールド、防御率2・49。
松岡直生