中6日に耐えられぬ「ガラスのエース」佐々木朗希 虚弱体質の右腕はそれでも海を渡るのか 鬼筆のスポ魂
球団側はともかく、佐々木は今オフ、海を渡れることを確信している。大リーグには「25歳ルール」があり、25歳未満の佐々木はマイナー契約に限定される。ロッテへの譲渡金も1~2億円程度になる。球団と代理人双方にとってもうかる話ではないが、「佐々木の強硬な姿勢を解きほぐす術は他になかった」と球界関係者は話した。
■山本由伸との違い
昨オフ、ポスティングシステムを利用してドジャースに移籍した山本由伸投手は12年契約、年俸総額3億2500万ドル(約465億円)でサイン。旧所属球団のオリックスは譲渡金72億円を受け取った。山本は21年から3年連続の投手4冠でチームをリーグ3連覇に導いた。育ててもらった球団に最大級の恩返しをしてから海を渡った。今の佐々木を見て、気持ちが複雑になるのは日本人的な義理と人情に縛られている発想だからか…。
日本では鉄腕を誇った山本でさえ、現在は右肩腱板損傷で15日間の負傷者リストに入っている。滑るボール、硬いマウンド、ピッチクロック…。投げては休む今の佐々木が大リーグの厳しい環境に耐えられるのだろうか。冒頭の吉井監督の言葉の中にはさまざまな意味合いが込められているように思えてしまう。=金額は推定
【プロフィル】植村徹也(うえむら・てつや) サンケイスポーツ運動部記者として阪神を中心に取材。運動部長、編集局長、サンスポ代表補佐兼特別記者、産経新聞特別記者を経て特別客員記者。岡田彰布氏の15年ぶり阪神監督復帰をはじめ、阪神・野村克也監督招聘(しょうへい)、星野仙一監督招聘を連続スクープ。