「よく足がもってくれた」最後まで走り続けたソフトバンク周東佑京、シーズン〝完走〟の貢献度と悔しさ
ソフトバンクの周東佑京内野手(28)が脚の痛みに耐え続けながらシーズンを〝完走〟した。2勝3敗で迎えた日本シリーズ第6戦に敗れ、日本一を逃した試合後。「よく足がもってくれた。それだけですかね、今年は」と振り返った。 ■リーグVも大ナタ…ドラ1右腕らが大量構想外【一覧】 シーズン開幕前の3月上旬。オープン戦に出場している時、左ひざに痛みを感じた。「原因は分からないけど、動いてみたら痛かった」。シーズンに入ってからも、痛みが消えることはなかった。 そんな中でもチームの主軸として試合に出場し続けた。中堅に専念した今季は自己最多の123試合に出場。初めて規定打席に到達し、打率2割6分9厘を記録した。41個の盗塁も決め、2年連続3度目の盗塁王も獲得した。 1年間グラウンドを駆け回ったが、シーズン中に1度だけ、左ひざが限界を迎えた時があった。9月28日の日本ハム戦(エスコンフィールド北海道)。二盗を仕掛けた際に再び強い痛みが走った。このプレーを機に途中交代すると、同30日に今季初めて出場選手登録を抹消された。シーズン終盤の負傷で、ポストシーズンの出場も危ぶまれた。 そこからは痛みを和らげる注射を2度打つなどの懸命な治療で、10月16日のクライマックスシリーズファイナルステージ初戦はスタメン出場。「試合に出たいだけ。(日本シリーズで)優勝する瞬間にグラウンドにいたい、というのもある」。全3試合に「9番中堅」で出場し、2戦目に犠飛、3戦目に勝ち越しの適時打を放つ活躍で、3連勝での突破に貢献した。 2勝3敗で迎えた日本シリーズ第6戦は「1番中堅」で出場。7点を奪われた5回は、筒香の左中間フェンス直撃の打球を捕球しようと、目いっぱいジャンプし、フェンスに激突する体を張ったプレーも見せた。直後の6回の第3打席では二ゴロ。一塁に向かう際は、いつものような軽快な走りではないようにも見えた。 「最後だったのでやるしかなかった。痛いのがどうこうより、何とかしたかった」。試合後の言葉には悔しさがにじみ出た。「こういう日本シリーズの舞台で力を出せる強い選手にならないといけない」。1年間走り回ったその脚で、再び力強い一歩を踏み出していく。(大橋昂平) 【#OTTOホークス情報】
西日本新聞社