高校サッカー 流通経大柏FW山野春太、3戦連続先制ゴール「得意の形でイメージ通り」 大量8得点の火付け役
第103回全国高校サッカー選手権準々決勝(4日、流通経大柏8-0上田西、UvanceとどろきスタジアムbyFujitsuほか)4試合が行われ、初出場の東海大相模(神奈川)は明秀学園日立(茨城)に2-1で逆転勝ち。エースのMF沖本陸(3年)が1得点1アシストと活躍し、4強入りを果たした。流通経大柏(千葉)は上田西(長野)に8-0と完勝。今大会の1試合最多得点で聖地・国立競技場へ駒を進めた。前橋育英(群馬)、東福岡も勝ち上がり、準決勝(11日・国立競技場)の組み合わせは東福岡―前橋育英、流通経大柏―東海大相模に決まった。 流通経大柏の韋駄天FW山野春太(3年)が敵陣を切り裂いた。前半13分、左サイドのDF渡辺和之(3年)のスルーパスに抜け出すと、相手DFを振り切り右足を一閃。3戦連続で先制ゴールを決めた。 「(相手の)背後は積極的に狙っていた。得意の形で、イメージ通りに流し込むだけだった」 50メートル5・9秒の快足を飛ばしての先制弾。8得点の大量得点の火付け役は胸を張った。 山野の得点で勢いに乗ったチームは、MF和田哲平(3年)とJ2富山内定のMF亀田歩夢(3年)がそれぞれ2得点。山野も同37分にヘディングで2点目を決め、前半で6得点と大差をつけた。後半は亀田が17分、山野が33分にベンチに退いたが、さらに2得点を追加して今大会最多の8ゴール。守っては相手シュートを2本に抑えて完勝した。 山野は3戦連発で今大会4得点。目標は2007年度大会の得点王で、母校を初優勝に導いたOBのFW大前元紀(現関東1部南葛SC)の7得点だが、「まだあきらめていない」と08年度大会に鹿児島城西FW大迫勇也(現J1神戸)が樹立した最多記録の10得点も照準に定めた。 2年の夏に右太もも前部を肉離れし、同時に右かかとの骨を痛めて長期離脱。その後も同じ箇所の負傷を繰り返し、仲間の活躍をピッチ外から見守ることしかできず「悔しい思いをした」と苦悩した時期もあった。 大会前にインフルエンザに感染したJ1湘南内定のFW松本果成(3年)が不振。山野が〝エース〟としてチームを引っ張っている。卒業後は流通経大に進学予定。最後の大会で完全燃焼を目指す背番号「9」は「国立でも点を取りたい。日本一へ、いい準備をしていきたい」と活躍を誓った。(一色伸裕)
■山野 春太(やまの・しゅんた) 2006(平成18)年4月6日生まれ、18歳。東京都出身。tfaジュニアユースから22年に流通経大柏高に進学。スピードと突破力が武器。4月から流通経大に進学予定。ポジションはFW。174センチ、65キロ。