星野真里「私にとっては光でしかない」娘・ふうかさん(9)への思い…難病の告知を受けても「明るい情報に感じられた」という理由
社会福祉士の資格を取って知ったさまざまな現実
それでも、娘が大きくなるにつれて、支えられるさまざまな制度、支えてくださるいろいろな方の温かさを知って、40年近く生きてきましたが、自分が知らないことがこれほどたくさんあるのか、と驚かされました。そして、これほどあたたかい世界があるというのを、まだご存じでない方に知っていただきたいという気持ちが、公表したいという気持ちにつながっていきました。 ただ、それでは丸腰で入っていくようなものと感じ、自分を奮い立たせるための鎧(よろい)というのでしょうか、そういった“身に着けるもの”として、資格や知識がないだろうかと探すなかで見つけたのが、社会福祉士という資格でした。 実際、資格を取ったことで、今、娘は支援学級に通っているんですけれども、自分たちが思い描いていた共同教育、インクルーシブ教育(※)からは、程遠い現実があるというのを、より知ることができました。 (※)インクルーシブ教育…障がい、性的マイノリティ、社会的に養護が必要な子ども、外国にルーツのある子どもなど、誰も排除することなく、すべてを包み込む(インクルーシブ=inclusibe)ような教育のこと。 このままのんびりしていると、あっという間に娘は小学校を卒業してしまいます。何かを変えるにはどうしても時間がかかるものなので、動きだすならできる限り早いほうがいい、ということで、最終的に、Instagramで公表することにしました。
ふうかさんの難病をSNSで公開して知ったこと
――公表後は、ニュースにもなりましたし、大きな反響があったのではないでしょうか? 本当に想像以上にみなさまが温かく迎え入れてくださったことに、まず驚きました。フォロワー数の伸びも想像以上で、娘が「世の中には、こんなにたくさん人がいるんだね」とちょっと驚くくらいでした。しかも、みなさんがくださるコメントが本当に温かくてですね…。 そのなかで、「うちも同じです」「私もそうです」と声をあげてくださる方も多くて。それはありがたい一方で、そういう声をあげる場所や伝える相手が少ないという現実があるのかな、という風にも感じました。 そして、先ほども言ったように私は心が弱いので、ほかのサイトや反響は見ておらず、自分たちのInstagramのコメントだけなのですが、もうほぼ100%というくらい、温かい言葉にあふれています。さらに、みなさんのコメントにまた別の方がコメントされたり、リアクションをされたりしていて。私たちが発信するだけではなく、そういったつながりの連鎖が起きているというのも、すごくうれしいなと思っています。 ――ふうかさんは、普段はどんなお子さんですか? 性格は、私に似ている部分があると思います。人見知りで最初からオープンマインドでいけるタイプではなく、まずは、じっと周りのことを見て、その人を見て観察する…という感じがします。 ただ、心の座り方が違うなというのは、近くにいてすごく感じていて、それが彼女がもともと持っていたものなのか、まだ9年という短い時間ではありますが、私たちが見ている以上のことを経験したなかで強くなった結果によるものか、わからないんですけれども、本当に前を向いていて、希望にあふれていて、彼女が将来を語るような、キラキラとした目の輝きを見ると、私もその目で見つめられたときに、恥じることがないようにしたい、堂々と見つめ返せるようでいたいな、と思います。 本当に私自身を強くしてくれる、私にとっては光でしかないですし、こう言うと、本人の負担になりそうで嫌なのですが、私の生きる意味をくれたのが娘だな、というふうに思っています。
めざましmedia編集部