メンコン、ボーイズバー、マッチョバー…… やってることはホストクラブとほぼ一緒なのに…

メンズショークラブの店内。主な客層は、黒髪で会社員風の20～50代の女性だった

″ホストクラブまがい″と言われる、無許可で接客サービスを行う店の摘発が全国で相次いでいる。歌舞伎町でよく耳にするメンコンやボーイズバーも、その多くが”ホストクラブまがい”の色恋営業を行っている。 「日本は天国だよ」急増するタイからの“出稼ぎレディボーイ”たち「2週間で90万円を荒稼ぎ」の実態 「やってることはホスクラとほぼ一緒の店がとにかく多い。コンカフェはもちろんシーシャバーにマッチョバーに……手を替え品を替えッスね。物見遊山で来る人が増えたし、ホスクラに入る勇気がない人やホスクラに入れない未成年がひっかかってる印象。 10年前は大久保通りに近い歌舞伎町の奥がホスクラエリアだったんだけど、どんどんエリアが拡大してる。類似店が増えたし、ホストの人口も増えた。さらに、経営グループの合併で運営の規模も大きくなったからね。今では靖国通り近辺で当たり前のようにホストクラブが出店していますよ」（ホストクラブの裏方で働くナオヤ・仮名・34） そんな歌舞伎町で隙間産業的に密かに盛り上がっているのが「メンズショークラブ」だ。メンズショークラブ『A-MEN’S TOKYO』が位置するのは歌舞伎町の靖国通りにほど近いエリア。地下へ続く入り口には元『KAT-TUN』の田口淳之介の写真が掲げられている。 『63エンジェル（元バーレスク東京）』プロデューサー監修の下、田口がオーディションなどで選出した男性キャストらのショーを楽しめるという。オープンした今年８月には田口も積極的にステージに立ちパフォーマンスを行っていたようだ。 ◆客同士も会話 筆者が訪れたのは、夜の街にしては早めの夜７時。この日は雨が降っていたが、とあるキャストの誕生日イベントとのことで、ショー開始30分前には店内の８割ほどの席が埋まっていた。場内では黒服の女性らが女性客を誘導したり、注文を聞いたりしている。従業員が客と同性であるのは、ホストクラブにはない文化だ。 ショータイム前後はキャストが各テーブルを回って会話を楽しむ。ファンとの交流といったライトな形で、客同士も会話しながら交流している様子が見られた。場内の照明が落とされ、いよいよショーが始まる。といっても、男性向けのショーとは違い、男性キャストが大胆な露出をするわけではない。約30分のショーでは、10人強のキャストが入れ替わり立ち替わりパフォーマンスを行う。アイドルの曲からK-POP、アニソン、ボカロ曲などにあわせて、ホスト風の男性たちがアイドルライブを行うのだ。 「客層はさまざまですね。旧ジャニーズオタの人もいれば、ホス狂上がりもいる。年齢層も広いですし。なかにはバーレスク好きの男性客もいます。チップとか抜きの最低料金が２時間で５０００円。ほとんどのお客さんは追加でチップを買ってお気に入りのキャストに渡しています」（キャストのタイガ・仮名・22） ショーの最中は３万～５万円の高額チップや高級シャンパンが飛び交う。店内は、豊洲のセリ並みの熱気に満ちている。推しが同じ客同士がいがみ合うどころか、合同で高額なチップを渡すさまはホストクラブよりアイドルの文化に近い。 「俺はネット配信もやってるんだけど、同じ投げ銭でもお客さんの顔を見て話せるほうが承認欲求が満たされる。ここで有名になって成り上がりたい！」（同前） 元ホストから銀座のショークラブのパフォーマーまでキャストのバックグラウンドも多種多様。何者かになりたい男を、何者かになりたい女が支える場を提供しているのが、歌舞伎町における水商売の本質なのかもしれない。 『FRIDAY』10月18・25日合併号より