水俣病慰霊式 歴代鹿児島知事の出席は2006年の1度だけ 現知事「従来の方針に従い出席する考えなかった」 環境省マイク切りには「物理的な強制終了、適切でない」
鹿児島県の塩田康一知事は17日の定例会見で、水俣病の患者・被害者団体と伊藤信太郎環境相の懇談会でマイクの音を切って団体の発言を遮った問題について、「発言を物理的な強制力を持って終了させるのはあまり適切ではない」と述べた。 【写真】〈関連〉懇談会でマイクを切った国の対応に抗議する被害者団体関係者ら(左)=1日、熊本県水俣市の水俣病情報センター
県環境林務課によると、懇談会前の慰霊式には2006年の伊藤祐一郎元県知事以外に出席した知事はいない。同年は公式確認50年の節目で熊本県水俣市から初めて知事への出席案内があった。その後も案内はあるが、60周年などは副知事、その他は環境林務部長が知事代理で出席している。 慰霊式の意義を問われると、「水俣病被害者はいろいろな地域に広がっており全国的な課題。慰霊の気持ちは国民共通で持つべきだ」とした。一方、知事自身の出席については「県議会でも求める声が上がっていたが、従来の方針に従いこれまで出席する考えはなかった。周年の機会では出席したい」と答えた。
南日本新聞 | 鹿児島
【関連記事】
- 環境省マイク切り「指示受けた職員が一番つらかろう」…水俣病被害者団体に広がる怒りと不信「環境行政の歴史に汚点残した」
- 水俣病被害者への思いどこへ…環境相 一転トーンダウン 新体制の役割は「団体との関係修復」、救済策検討は「目的外」
- やはりマイクは意図的に切られた…水俣病懇談会で発言中かき消された被害者の声 「不適切な対応だった」と認めた環境省 近く謝罪の意向を示す
- これが水俣病に対する国の本質か…慰霊式後、環境相との対話は1団体3分間、超えるとマイクの音が消えた 「最後まで言わせてやれよ」患者団体の怒り収まらず
- 水俣病懇談会の発言3分マイク切りは17年から運用…「もっと長い時間取れる日に設定」と環境相 新たにタスクフォースを設置