予算計上などの手続き踏まずに公共工事2件…「住民から要望があったので」市職員が不適正事務処理
鹿児島県奄美市は25日、住用総合支所管内で、今春完了した護岸と排水処理の計2件の公共工事で不適正な事務処理があったと発表した。予算計上や設計など本来の手続きを踏まず、別の工事で余った費用を流用して実施していた。市は処理を指示した当時の同支所産業建設課長を減給10分の1(3か月)の懲戒処分、上司と担当職員を訓告とした。
市は昨年6月の豪雨被害を受け、「土砂撤去機械借上費」を補正予算で計上した。このうち住用地区の3件は実質的な費用が発生しなかったが、使われなかった計357万円分の減額処理をせず、2件の工事費に充てていた。同課長は市の聞き取りに対し、「住民から要望があったので工事をしてしまった」と話したという。