【1日3分間のメンタル強化法 第18回】感性を磨いてセンスの良いテニス選手になろう!<SMASH>
テニス競技はメンタルによって大きく結果が左右されるスポーツです。しかし、メンタルを強化したいけれど「なんか大変そうだ」と敬遠している人はいないでしょうか。 【画像】男子シングルス金メダルのジョコビッチはじめパリオリンピックのテニス競技のメダリストたち 本シリーズでは一般プレーヤーに向けて、伊達公子氏や浅越しのぶ氏といった日本テニス界をけん引したトップ選手の指導経験を持つメンタルアドバイザー椙棟紀男氏に、簡単に身に付くメンタルの強化方法を伝授してもらいます。 * * * 「感性はどうしたら磨けるのですか?」 今から20年ほど前、ある高校の野球部員からこの質問をされました。その選手はキャッチャーで、監督から「もっと感性を磨け」とよく言われていたそうです。 スポーツだけでなく“感性=センス”という公式になるのかもしれません。質問された時は少し返答に困り、うまく伝えることができませんでした。その反省も含め、その後から感性について色々と考えて、“感性5つの力”として整理することができました。 その1つが「感性とは感動の量に比例する」です。では、どうすることで人は感動するのでしょうか。人と共感したり、新しい何かとの出合い(新発見)が感動を呼んでくれるのです。そこで私自身、月1回は“本物に触れる”をテーマに感性の旅と称して行動を起こすようにしています。 たまには旅行もしますが、今までに実行したのは、行列のできる店で食事をする、ホタルの乱舞を見に行く、美術館へ行く、スポーツ観戦、紅葉のライトアップ、オーケストラの生演奏を聴くなどです。少しでも興味を持った所に行ったり、心を揺さぶられる体験をすることを心掛けています。 もしあなたが行き先に困った時は、“自慢話”から入ることをお勧めします。ある日、友人が訪ねてきた時に、私は家の前にある銀杏の黄葉を指差して「見事な色だろう」と自慢気に話しました。すると間髪入れず「奈良県天川村の銀杏を見てからにして」と言われたのです。さっそく天川村に出向き、見事な銀杏の大木と対面することができました。 自慢したことで、新しい感動のきっかけをつかめたわけです。「あそこの餃子はうまいよ!」でもいいのです。友人がお気に入りのレストランを教えてくれるかもしれません。このように感動する機会を意図的に作っていくことです。人間は驚き体験や感動によって脳内に刺激が起こります。五感を刺激することが、感性、センスを磨く原点のように思います。 構成●スマッシュ編集部 ※スマッシュ2021年9月号から抜粋・再編集