「サントリー天然水」1Lのペットボトル、売上が5割増 理由は?
サントリー食品インターナショナル(東京都港区)は5月、「サントリー天然水」(1L)の容器形状を刷新したわけだが、売り上げに変化はあったのだろうか。リニューアル後の6~10月の販売数量を見ると、前年同期比150%に伸びている。 【画像】「サントリー天然水」1Lボトル、リニューアルしてどうなった?
リニューアルの背景
サントリー天然水1Lペットボトルは、従来は家庭向けの中容量サイズとして販売してきた。だが、近年は550mlサイズとよく似た購買状況が確認でき、水をたくさん飲みたいシーンで購入する人が増えているのではないか、という仮説があった。 こうした状況を受け、家庭向けの中容量サイズという考え方から、一人でたくさん飲みたい人向けの“パーソナル大容量”という発想に転換し、5月に容器を刷新。片手で持って直接飲みやすく、またリュックのサイドポケットなどにも入れて持ち運びやすい胴径・形状へと変更した。
販売好調の要因は
同社は販売好調の要因として2つを挙げている。1つめは、1Lサイズ市場が拡大していること。近年、気候の亜熱帯化・健康志向などから、水分補給ニーズの高まりとともに一人当たりの飲用量が増えている。 飲料市場の中でも無糖茶やミネラルウオーター、スポーツドリンクなどを含む1Lサイズ市場は拡大傾向にあり、この3年で1.7倍(同社推計)に増加。中でもミネラルウオーターは、健康的なイメージや常温になっても味の変化を感じにくいという点で選ばれており、販売数量は同2.2倍(同社推計)に拡大している。 2つめは、多様な世代に“ちょうどいい”スリムな容器形状となったことで、飲用シーンに広がりが出たこと。 新容器は、一人でたくさん飲みたい人向けの“パーソナル大容量”という考え方で、主に社会人がオフィス内での一日の水分として、出社前に購入することを想定していた。リニューアル後のデータを見ると、朝の購入時間帯が多いだけでなく、想定以上に幅広い人から、さまざまなシーンで飲まれていることが分かったという。 サントリー食品インターナショナルは「今後もマーケティング活動に注力し、2024年はサントリー天然水ブランド計で、過去最高実績を更新する1億3950万ケース(前年比101%)を目指す」とコメントしている。
ITmedia ビジネスオンライン