「青学大は上りが強い…」「全日本では凌げたが箱根駅伝は…」往路4位・駒澤大が青学大との差を感じた区間とは? 主力を襲った「誤算」と「異変」
2区はごまかしが利かなかった
篠原は、どこかスッキリした表情だった。 「初めて2区を走って平地だけではなく、上りの特性も大事だなというのが分かりました。黒田選手も吉田響選手もやはり上りが強い。特に青学大は、上りが強いですし、ハーフが強い。うちは出雲や全日本でうまく凌いで走っていましたが、箱根では凌げなかった。2区は、ごまかしがまったく利かなかったです。チームを勝たせる走りをしたかったのですが、自分の区間から青学大に流れを持っていかれたので、そこは本当に悔しかったです」 山川を2区に回し、篠原を3区という案もあったが、5区を走れる選手が見当たらず、それは案のままで終わった。適材適所を地でいった青学大に対して、多少無理をして区間配置をしなければならなかった駒澤大は、スタートの段階で大きなビハインドを負っていたとも言える。 藤田監督は誤算があったことも認めつつ、改めて青学大の強さを口にした。
やっぱり青学大は強かった
「やっぱり青学さんは強かったです。特に2区の黒田君、4区の太田(蒼生・4年)君は本当に強いなぁと感じましたし、あれだけレベルの高い駒をあれだけ揃えられるっていうのが青学さんの強さですね。うちは、まだそこのレベルまでには至っていないです」 往路優勝した青学大には、3分16秒差を付けられた。 昨年大会の復路は2分38秒差で2位スタートだったが、最終的に青学大に7分25秒差をつけられて2位のままで終わった。今回、復路も強いメンバーが揃う青学大に対して、1秒でも詰めておきたかったが、昨年よりもギャップは広がってしまった。復路で約1キロ以上の差は大きなハンディになる。 「青学さんには、遅れても2分程度と思っていたので……そこからだいぶもう離れてしまったので、本当に悔しいです。ただ、うちは復路も力がある選手たちを残していますので、追撃態勢を整えるために、まずは6区から、前との差をしっかり詰めていきたいですね」(藤田監督)
まだゲームチェンジャーを残している
駒澤大の逆転への狼煙を上げるのは、6区の伊藤蒼唯(3年)になる。7区には、おそらく切り札として佐藤圭汰(3年)が入るだろう。 「ゲームチェンジャーの意味で佐藤を復路に残しましたので、彼を活かすためには6区終了時点でどこまでタイムが詰まるか。うちは6区7区がカギになると思います」 藤田監督は、往路の収穫として3区谷中晴と4区桑田の1年生コンビの好走を挙げた。そこは来季に繋がる手応えを得たと言えるだろう。だがその前に、今年のレースはまだ終わってはいない。 「駒澤はただでは転ばない」 藤田監督の言葉を、果たして、復路の選手たちは実現できるだろうか。
(「箱根駅伝PRESS」佐藤俊 = 文)
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