手取り世帯年収「400万円」です。子ども2人を大学まで行かせるには世帯年収が「少ない」ですか?
子どもがいるご家庭で、不安要素となるのが、教育費です。大学まで通うことを考えると、大きなお金が必要になります。のちのちお金で困らないためには、早めに教育資金を準備しておくことが大切です。 そこで今回は、子ども1人につき、大学卒業までにかかる教育費(学習費)を解説します。およそいくらのお金が必要になるのかを把握して、計画的に貯金しましょう。 ▼「住民税非課税世帯」や「多子世帯」は無料で大学に行ける? 無償化の要件を確認
幼稚園~高校卒業までにかかる費用
文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査」では、学年別(幼稚園~高等学校)の学習費総額が発表されています。そのデータを基に、子ども1人当たりの幼稚園~高等学校卒業までにかかる費用を見てみましょう。 表1
※文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」を基に筆者作成 表1より、全て公立の場合は574万4201円、全て私立の場合は1838万4502円の学習費がかかることが分かりました。その差額は、1264万301円にも及びます。このことから、公立か私立かによって、教育費は大きく異なるといえるでしょう。
大学にかかる費用
次は、大学にかかる費用を見てみましょう。 文部科学省の「国公私立大学の授業料等の推移」を基に、大学にかかる費用(入学年度)を表2にまとめました。 表2
※文部科学省「(参考2)国公私立大学の授業料等の推移」を基に筆者作成 仮に表2の費用が4年間必要と考えて、大学にかかる費用の総額を計算しました。 ●国立大学:242万5200円 ●公立大学:251万9135円 ●私立大学:407万7626円 大学4年間だけでも、約243~408万円のお金が必要であることが分かります。 前述した幼稚園~高等学校までの費用と合計すると、全て公立に通った場合は816万9401円、私立の場合は2246万2128円が教育資金として必要です。
世帯年収(手取り)400万円で子ども2人を大学まで進学させられるのか
世帯年収(手取り)が400万円の場合、子ども2人を大学まで進学させられるのかについて考えてみましょう。仮に幼稚園~大学まで全て公立に通った場合、子ども1人当たり816万9401円が必要です。子ども2人になると、1633万8802円になります。 総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)」によると、二人以上世帯における消費支出は、月に29万865円とのことです。手取り年収が400万円とのことであれば、1ヶ月約33万円使えることになりますので、上記の支出を差し引いて約4万円残ります。 この約4万円を教育資金に回すと仮定すると、年間約48万円ためられます。しかし約1653万円もの資金を、大学進学までにためることは難しいでしょう。 教育資金が足りない場合には、共働きや副業で収入を上げたり、節約して支出を抑えたりする必要があります。ほかには、奨学金制度といった公的制度を利用することも、方法のひとつです。