トレイルラン、目指すは世界の頂 10月アジアV・白山出身、医師の髙村さん
●年明けから競技専念 山道を駆けるトレイルランニングで世界の頂点を目指す白山市出身の心療内科医がいる。髙村貴子さん(31)=都内在住=は10月、韓国で初開催されたアジア太平洋選手権で金メダルを獲得した。北海道での大学時代に競技に出会い、自然の中で得られる達成感に魅了された。髙村さんは年末で勤務先を退職してトレイルランニングに専念し、来年の世界選手権での表彰台に狙いを定める。 【写真】世界選手権に向けて決意を語る髙村さん 髙村さんは金大附属中、泉丘高で陸上競技に打ち込み、旭川医科大へ進んだ。身長157センチで、トレイルランニングのほか、山岳地帯の急斜面を駆け登ったり降りたりするスカイランニングや、障害物が続くコースを走るスパルタンレースにも取り組む。 2014年の第1回中能登トレジャートレイルラン(北國新聞社後援)で「初代女王」に輝くなど、国内外で数々の受賞歴がある。 10月25日に韓国・蔚山(ウルサン)で行われたアジア太平洋選手権では、ショート(距離40キロ、累積標高約2700メートル)の部で日本代表に選ばれ、2位の選手に約5分差をつけて4時間36分24秒で優勝した。 トレイルランニングを始めたのは、旭川医科大スキー部のオフ期間のトレーニングだった。富良野での大会に初めて出場すると、大自然に包まれる爽快感とゴール後の達成感に魅了された。 一方で、自己流のトレーニングを続けた結果、知識不足や間違った認識から、不眠症、パニック障害、摂食障害などさまざまな心の疾患に直面した。 「アスリートはメンタルが強いと思われがちだが、実際はそうでもない。自身で感じたからこそ、選手が相談しやすい環境をつくり、パフォーマンスを発揮できるように役に立ちたい」 そんな思いから心療内科医の道に進んだという。 ●「最大限の結果を」 髙村さんは「立ちはだかる悩みを乗り越え、最大限の結果を出したい」と来年9月にスペインで開催される世界選手権の出場権獲得へ意欲を語った。