島根県立高校 いじめ「重大事態」認定 「なんで学校に来てるの。早くやめろや」 無断撮影の動画拡散され、精神的苦痛 学校がいじめと捉えず
島根県教育委員会が、県立高校に通っていた生徒が無断で撮影された動画を拡散されるなどして精神的な苦痛を受け、いじめの「重大事態」に認定したと明らかにした。動画の拡散を学校がいじめとして捉えなかったことなどが要因としている。 【写真】浮気、不倫、失踪、いじめ調査・・・ 求められる「証拠」と「特定」 山陰で活動する探偵たち
県教委が公表した識者や弁護士などでつくる調査委員会(6人)の報告書によると、2022年5月、生徒の上級生が無断で下校時の様子を撮影し、動画を後輩に送った。同年7月から11月にかけて他校の生徒が無断で撮影し、動画を拡散した。「なんで学校に来てるの。早くやめろや」などと言ったという。 生徒は不眠症状を発症し、医療機関で治療が必要な状態になった。23年3月に学校が重大事態に当たると判断し、県教委に報告。事実関係を調べていた調査委は学校の対応に関し、いじめに関するアンケートへの対応が不十分▽動画の拡散をいじめとして捉えなかった▽組織的な対応でいじめが解消されなかった-と指摘した。 県教委子ども安全支援室の高倉信明室長は「調査の指摘を受け、再発防止に取り組む」と話した。 県教委は対象の児童生徒や保護者の同意が得られた場合に限り、重大事態を公表している。23年度は前年度比6件減の7件だった。