ケニアで増税に抗議するデモ隊に発砲、5人死亡 政府は国際債権者と国民の板挟みに
アフリカ・ケニアの議会前で25日、増税に抗議するデモに参加していた数人が射殺された。議会内では、約4300億円の歳入増を目指す財政法案が承認されていた。全土でこの法案に反対する市民が、街頭に出て抗議を行った。 議会内への侵入を試みるデモ隊に、警察は圧倒されていた。建物の中から火が上がる様子も確認できる。 催涙ガスと放水による鎮圧に失敗した警察は、実弾を使用した。 デモ隊は、すでに生活費の高騰で打撃を受けているとして増税に反対している。そして多くの人がルト大統領の退陣を求めている。「私は政府に言いたい。我々は入口を与えた。今度は出口を教えるつもりだ。大統領!大統領!私たちを見ろ」 ルト大統領は、ケニア政府に財政赤字削減を求める国際通貨基金(IMF)などの債権者と、国民との間で板挟みになっている。ケニアは重い債務負担に苦しんでおり、利子の支払いだけで歳入の37%が消えてしまう。 法案が25日、次の審議へと送られるにあたり、ケニア政府はいくつかの譲歩を行った。パンや食用油、自動車所有、金融取引に対する新税案は撤回すると約束したのだ。 だが国民はそれでは納得しなかったようだ。