31歳で会社員を辞めてイギリス大学院に留学した私が「地獄のような準備期間」を乗り越えて分かったこと
30代をどう生きたいか
さまざまな葛藤を経て、最終的にイギリスの名門大学ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(通称UCL)のインスティチュート・オブ・エデュケーションという教育分野における世界最高峰の研究・教育機関に進学した上平田さん。社会人留学を実現するために猛奮闘した1年間は、「正直なところ、地獄のようだった」と振り返る。なぜそんな思いまでして大変な道を選んだのか、今一度聞いてみた。 「さまざまなことに挑戦した20代での楽しかったことや挫折から学んだことを書き出してみて、“30代はどう生きたい?”と自分に問いました。 そこで思ったのは、やっぱりこれまで通り、一度きりの人生、まだまだ予想のつかない展開を楽しみたい、可能性を信じてどこまでも飛んでみたい、ということです。その感覚を子どもの頃からずっと大切にしています。 あともう一つは、ここまで大変かどうかは終わってからじゃないと分からなかったという部分も大きいです。 最初から解像度高く“地獄”だと分かっていたら、踏み出せなかったかもしれません。でも初めてしまったらあとはやり抜くだけなので、未知なまま進んでみるくらいの方がちょうどいいのかもしれませんね」 上平田さんは2024年9月からロンドンに移住。刺激的な日々を送っている。 「現地に来て、日本と海外の教育に関するギャップも学びたいことも山程出てきています。 挫折したり課題に追われたりする日々ですが、教育改革を志すリーダーたちが世界中から集まる環境から受ける刺激は、何事にも代えがたい経験です。 “30代からの留学”は変数や制約が多い決断でしたが、まずは挑戦してみて良かったなと心から思います。 この留学が終わるまでそう思い続けられるかは自分次第。日々起こる予期せぬカオスな出来事に対して、自分なりに留学生活をカスタマイズしながら生きていこうと思います」 (文・大谷享子、編集・中島日和)
大谷享子