31歳で会社員を辞めてイギリス大学院に留学した私が「地獄のような準備期間」を乗り越えて分かったこと
ここまでやって、その先に何があるんだろう?
前職に所属したからこそ分かった、限界と可能性。その狭間で揺れ動き、次の人生の選択はどうするべきなのか、答えを出せずにいた上平田さんは、よく1対1で相談していたアメリカ在住の大学時代の友人に話してみることに。 すると、返ってきた答えは「昔から教育に課題を感じて一貫して行動してるんだから、もうさっさと世界トップ基準の教育を学びに行きなよ。世界トップを学べば、現状とのギャップが分かり自ずと次の道は見えてくる」──この言葉を受けた上平田さんは、そこに選択の節目に感じてきた“ときめき”を感じ、悩みながらも社会人留学を決意した。 しかし決めたはいいものの、スタートアップで働くめまぐるしい日常は続く。ネックになったのは、やはり情報収集や受験勉強時間の確保だ。ではどのように向き合ったのか、キーとなったのは“取捨選択”だという。 「時間も資源も体力も無限ではないことは、社会人を経験した人の多くが身をもって知っていることです。 特に時間に関しては、1日=24時間というのは誰にも変えられません。働きながら本当に海外大学院に留学しようと思うなら、特に英語が高校以来だった私は人一倍の努力と、何かを手放す必要があると考えました」 そこで、上平田さんは大学院への受験勉強期間、友人や家族と遊ぶ時間を最低限にし、SNSも消去。同時に、土日は12時間、仕事のある平日は始業前や就業後、昼休みといったすき間時間も勉強に打ち込む日々を過ごす。 「自分でも“本当にこの優先順位で大丈夫なのかな?”、“ここまでやって、その先に何があるんだろう?”とよく思っていましたし、眠れない日も多かったです。 決断から達成までの過程に、葛藤や不安が一つもない人なんて少ないんじゃないかなと思います。 ただ、その葛藤や不安を感じる回数を最低限にして、自分のメンタルとペースを乱さない工夫はできると思います。その一つがSNSの消去でした。 他者の生きる時間を垣間見るとどうしてもそれと比較したり、自分の選択を疑ったり、大好きな家族や友達に会いたくなったりしてしまうし、周囲からの何気ない声も、不安の隙間には入り込みやすいです。 しかし残念なことに、他者の人生を見ている時間やむやみに悩む時間は、1ミリも英語のスコアや受験結果に結びつかないのです。 そう思うと受験には最も不要な時間だし、海外大学院に入学できるかは自分次第なので、30代を迎える次の10年のためにも“今目の前にあるやるべきこと”を大切にしていました」 この投稿をInstagramで見る 上平田 蓉子| (@hiroko_kamihirata)がシェアした投稿